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5月4日から配信されたNetflixのドラマ『サンクチュアリ ―聖域―』。テレビ・非英語部門で6位にランクインし、国内外で大好評だ。このドラマは新人力士の猿桜が、とがった振る舞いでファンを魅了しながら、角界を揺るがしていくという物語。力士の日常が丁寧に描かれているが、実際はどうなのか?
まず気がついたのが土俵の整え方。どす恋花子のペンネームを持つ相撲ライターの佐藤祥子さんによると、
「稽古後は、砂を中央に寄せて、御幣を立てて、塩をまいて清めます。土俵の神様に感謝して、ケガをしないように祈りを込めて整えます。稽古前は御幣を取り、ほうきできれいに砂をならします」
強くなれば個室がもらえる
実際の相手を想定し、中腰で足を運ぶ『すり足』と『四股』をふむ稽古のシーンも多い。
「相手の圧力を受け止めたり、踏ん張ったりと相撲において下半身は重要。鍛えるために四股を踏みます」(佐藤さん、以下同)
稽古中、兄弟子が厳しい指導を行うシーンも。
「昭和のころには、そういったことがあったかもしれませんが、今では健全化され厳しすぎる指導はないと思います」
力士が稽古するときはいつも裸足だから足の裏の皮が厚くなりひび割れることも。ドラマでは稽古後の力士が大部屋に戻り、瞬間接着剤をひび割れに流し込むシーンも。思わず「本当か?」と疑ったがこれも実際に行われていると佐藤さん。稽古後に過ごす部屋が相部屋なのは……。
「十両以上の関取になるまでは大部屋で共同生活です。1人分のスペースは布団1枚分くらい。そこに私物と布団を置いて過ごします。関取になったら、たいていの場合は個室が与えられる。“強くなれば個室がもらえる”と、励みにすることもあるでしょうね」