「昼ドラのドロドロが復活したようでうれしい」
そう主婦層から高評価を得ているのが、今年4月から日本テレビで新設されたドラマ枠“金曜DEEP”で放送されている『夫婦が壊れるとき』だ。
TVerランキング1位『夫婦が壊れるとき』
美人医師の真壁陽子(稲森いずみ)は、夫・昂太(吉沢悠)と息子と、人もうらやむ幸せな暮らしを送っていたはずだったが、ある日、夫の荷物から長い1本の髪の毛が見つかり、浮気を疑っていく。
「1話で浮気を疑い、2話には浮気相手が発覚し、物語は視聴者を悶々とさせることなくスピーディーに進んでいきます。全13話予定で6月6日現在は9話まで放送済みですが“13話じゃ足りない!”という声が上がるほど好評です。TVerドラマランキングでも徐々に順位を上げていき、5月26日放送分は1位を獲得するなど回を追うごとに人気を得ています。深夜枠のドラマが1位をとるのは初めてです」(ドラマウォッチャー)
原作は、イギリス国営放送のBBCで各賞を総なめにしたドラマ『女医フォスター 夫の情事、私の決断』('15年&'17年)で、韓国でも『夫婦の世界』('00年)としてリメイクされている。この作品も韓国ケーブルドラマ史上最高視聴率28.4%を記録。世界各地で人気を得ている同作。
いったいなぜ?
「主人公の復讐が見事で視聴者がスカッとするのが魅力。夫だけではなく、夫の浮気を知っていた同僚や隣人夫婦にも容赦なく攻撃していきます。さらに日本版では23分という短い放送時間で無駄なシーンがほぼない。
陽子の両親の遺産や息子の学資保険にまで手をつけるなど、同情の余地もないほど夫の昂太がクズに描かれており、視聴者は主人公の陽子に思う存分肩入れしてしまう。
クズ夫への復讐はまだ果たされていないので、視聴者はその放送を待ち望んでいます」(同)
“深夜の昼ドラ”とも称されている同作は、昼ドラ同様“トンチキ”な点も見どころだとか。
「主人公は患者に薬を処方する代わりに、探偵業を頼んだり、別の患者の弁護士先生には離婚の相談をしたりと公私混同がすごい(笑)。ツッコミどころ満載で、そこを楽しむのも同作の魅力」(同)
さらにこのドラマの新しい点をあげる。
「これまでは不倫サレ妻ドラマだと、主人公が思い悩み悶々とする時間が長かった。主人公の味方になる恋人候補の男性が現れ、その人と結ばれるのもひとつのパターンでした。でも同作は違います。自分に好意を寄せる男性も復讐の道具にする上、主人公は思い悩まずにひとりで粛々と計画を進めていきます。その潔さがカッコいい。
これまでの作品だと浮気相手の女性に怒りの矛先が向かうことが多かったが、同作は夫・昂太がいちばんのターゲットになっています」
新しいサレ妻の姿が快感なのだ。
イギリス版と韓国版では結末が違っている同作。美しき復讐者、陽子の着地点を見届けたい。
(日本テレビ系:毎週金曜深夜24時30分~)
出演:稲森いずみ、吉沢悠ほか