生活支出で節税!
日常的にかかる生活費や医療費もうまく節税につなげることが可能。物価上昇が止まらない昨今だからこそ、上手に活用して。
テク8:10万円以下でも控除可能!
医療費控除・セルフメディケーション税制
年間でかかった医療費を所得から控除できる「医療費控除」。手術や入院があった年に使った方も多いかもしれない。医療費が10万円を超えないと利用できないイメージがあるかもしれないが、それは間違いだ。
「医療費控除ができるのは『10万円または総所得金額の5%のどちらか少ない額』を超えた場合の金額です」
例えば課税所得が100万円なら、年間の医療費から5万円を差し引いた金額が控除できる。しかも本人だけでなく世帯全員分の医療費を差し引ける点もポイントだ。
「医療費には、通院に利用した電車代やバス代なども含まれ、夜間などにやむを得ず使ったタクシー代も認められます。ただし自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外です」
このほか、差額ベッド代や予防接種料金なども含められないので注意しよう。
また医療費に関しては「セルフメディケーション税制」という制度もある。処方箋なしにドラッグストアなどで購入できる「OTC医薬品」にかかった費用が対象で、総額から1万2000円を差し引いた金額を控除できる。
医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらかしか使えない。より多く控除が受けられるほうを適用しよう。
薬局や薬店、ドラッグストアなどで処方箋なしで購入できる医薬品のこと。かぜ薬や点眼薬、ビタミン剤などロゴマーク入り製品が対象だ
テク9:物価上昇の強い味方!ふるさと納税で日用品を
食料品や日用品などの生活必需品がどんどん値上がりする中、活用したいのが「ふるさと納税」だ。好きな自治体に寄付をすると返礼品が受け取れる上に、2000円を超える部分は所得税や住民税から控除や還付が受けられる。
「ふるさと納税で贅沢品ではなく日用品などをもらうようにすれば、生活費の削減にもつながってお得です」
オススメは、トイレットペーパーやティッシュペーパー、ペットボトルの水など。お米を定期的に届けてくれる自治体もある。
最近はほとんどの自治体でクレカ決済ができるようになり、クレカのポイントが貯められる。また「楽天ふるさと納税」や「auPAYふるさと納税」などのサイトを利用すれば、特定のポイントが貯められてよりお得度が増している。
なお、ふるさと納税の上限額はその人の所得金額や扶養控除などの利用状況によって異なるため、専用サイトなどで事前にシミュレーションしておくとよい。上限額を超えてしまうとただの寄付になってしまうので気をつけよう。
(取材・文/金指 歩)