当時、男の子たちから、ほのかな恋心を抱かれた“初恋”相手としても名高いモモレンジャー=小牧だが、『ゴレンジャー』撮影時にロマンスは?
「そうですね、ありましたね(笑)。と言っても、憧れていただけなんですけど。アカレンジャー役の誠直也さんがカッコいいなと思っていました。現場の人たちも交えて何度かごはんに行ったことはありますが、それだけでしたね。一緒に仕事はさせていただいたけど、雲の上の存在でした」
ずっと心にモモレンジャーがいるような状態
甘酸っぱい思い出を抱えつつも、撮影終了後に小牧は結婚。芸能界からも一度引退している。
「いちばんの理由は、育児をするため。引退後はイベントなどのコンパニオンとして働いていました。いろんな方と出会い、政財界などの自分の知らない知識も身につくから自分も磨ける。私は商売人の娘なので、すごく向いていたと思います。5年ほど続けましたね」
本格的に芸能界に復帰したのは、'10年に行われた『ゴレンジャー』イベントから。
「その後、雑誌などからオファーをいただくようになりまして。その流れで誘っていただいて、'17年に朗読劇団『桃色旋風』を立ち上げたんです。最初は迷ったんですが、当時、孫に毎日のように絵本の読み聞かせをしたり、歌を聴かせていました。
“同じようにやればいい”とお話をいただいて、沸々と“やりたい”という気持ちが湧いてきて、お受けしました。いざやってみると、朗読劇は1回の公演でいろいろな役を演じることができるのが楽しいです。
でも、何回か公演を終えたところで新型コロナが流行して……。公演も全部キャンセルになって、それから現在までできていません。最近になって状況が変わってきたので、徐々に考え始めている段階です」
当時『ゴレンジャー』を見ていた子どもたちも、今では50代。彼らへのメッセージを聞いてみると……。
「私、これまでを振り返ると、ずっと走り続けてる感じなんですよね。何事にも前向きに。みんな言ってることですけど、乗り越えられない困難はないと思っています。その先に何が待っているかはわからないけど、希望を持てば楽しいことがいっぱいあると思うんです。だから、頑張って!」
どこまでもポジティブな小牧。その秘訣は?
「親が、困った人がいたらすぐに手を差し伸べるような人だったんです。だから私も自然とそれができるようになっていて。なんでも他人事と思わないようにしているんです。ボランティア精神といいますか、それもひとつの理由かもしれません」
最後に、小牧にとってモモレンジャーとは?
「私の宝物です。あの役があったからこそ、今の私の生き方があると思います。何をしてても、人に“モモレンジャーのイメージとは違うな”とは思われたくないんです。
それは、役を侮辱することになる。やっぱりそういうことはしたくないなって。ずっと心にモモレンジャーがいるような状態ですね(笑)。どんなときでも、家ではだらっとしていても、人に会うときは笑顔で優しくいることを心がけています」
その言葉どおり、終始笑顔で取材に答えてくれた小牧。放送から48年たっても、彼女は永遠のモモレンジャー!