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ー 年収3億円も視野に
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ー 『本因坊戦』が優勝賞金が3分の1に大幅縮小

 

 6月1日、20歳10か月という史上最年少で『名人』のタイトルを獲得した藤井聡太。これで、将棋の8大タイトルのうち、『名人』『竜王』『王位』『叡王』『棋王』『王将』『棋聖』の7つを獲得し、“藤井7冠”となった。

羽生善治さんが'96年に達成して以来、史上2人目の7冠です。当時は7冠で全タイトルでしたが、'17年からは『叡王』が加わって現在の8大タイトルに。そのため、前人未到の“8冠”という偉業達成が期待されています」(全国紙記者、以下同)

 残すタイトルは『王座』。すでに現王座への挑戦権を争うトーナメント戦は始まっており、王座の奪取に成功し、かつ秋までに行われる2つのタイトル戦を防衛すれば、“藤井8冠”が誕生する。

 将棋界の歴史を次々に塗り替える藤井だが、ケタ違いなのは、その実力だけではなく“収入”も。

年収3億円も視野に

将棋連盟が発表した'22年の年間獲得賞金・対局料ベスト10で、当時5冠の藤井さんは1億2205万円で1位でした。これまでの最高額は、'95年に羽生さんが稼いだ1億6597万円。藤井さんが“8冠”になって今年を終えた場合、記録を更新して2億円を超える可能性もあります」

 '18年から'22年までに藤井の賞金・対局料の総額は、公表されている分だけで約2億8000万円。同じく7冠を達成し、長年トップ棋士として君臨した羽生は、'89年から'22年までの33年間で約30億円を獲得している。

6月5日、ベトナム開催の棋聖防衛戦第1戦に勝利した藤井。8冠に向け幸先のいいスタートを切った 写真/共同通信社
6月5日、ベトナム開催の棋聖防衛戦第1戦に勝利した藤井。8冠に向け幸先のいいスタートを切った 写真/共同通信社

 棋士の収入源は賞金・対局料が主だが、副収入も。

「アマチュアへのレッスンや地方の将棋大会の審判などの仕事もあります。人気があれば対局の解説も依頼されますし、最近ではユーチューブで稼ぐ人も。そういった収入を含めると、棋士の年収は、獲得した賞金・対局料の3割から5割増しになるといわれています」

 それに加えて、藤井には広告契約での収入もある。

現在3社と広告契約を結んでいますが、注目度が高まった今、起用したいと考える企業は増えています。契約料は広告1本あたり3000万円は下らないと見られていますから、広告契約料だけで1億円近くはあるでしょう」(広告代理店関係者)

 年収3億円も視野に入った藤井。だが、棋士がどれほど稼ぐのか、あまり知られていない。その理由について、将棋の観戦記者が説明する。

将棋連盟は、基本的には賞金や対局料についての詳細を公開していません。計算方法が複雑らしいのと、多くの棋士はお金について語るのは“はしたない”と考えているためです。ランキング上位が発表されるようになったのも、時代の流れを受け、先に公開していた囲碁界を見習って、といった感じでした」