ある夜、酔っ払ったサラリーマン風の若者が佐々木さんに絡み始めた。苦虫をかみつぶしたような顔で若者の相手をしていた佐々木さん、「何、怖い顔してるんだよ」と言われ、堪忍袋の緒が切れた!
「貴様! 二度と来るな!」
と、怒鳴りつけながらおじさんが買ったものを彼の顔面にバンッ! これには若者もブチ切れ、取っ組み合いのケンカ寸前に。
「なんとかその場は収まったんですけど、その若者はうちの常連客。以来、佐々木さんは彼が来店するたびにイライラと(苦笑)。店内の雰囲気は最悪でした」
そんな空気に佐々木さんも耐えられなくなったのか、
「私、この仕事合ってませんね……」
と、2か月ほどで店を去っていった。この例とは逆に、コンビニバイトが“天職”のような人もいる。
セールストークはうまいけど、スナックみたいで……
「アラカンの真由美さん(仮名)は“いらっしゃいませ!”“ありがとうございました~”と元気いっぱいで客ウケもバツグン。コンビニではお中元やお歳暮などの季節商品も扱ってますが、彼女のセールストークに乗せられて注文する人が増えたんです」
そんな真由美さんを“推している”客は、ガテン系のお兄さんたち。
「“おばちゃん、俺と不倫しようぜ”なんて誘われて、“あら、いいわよ♪”と応えるノリのよさもウケているのでしょう。“家にいて亭主の相手しているより、ここで働いているほうが楽しい”と目を輝かせています(笑)」
ほかの客の目も憚らず「また来てね」と、お兄さんたちとハグを交わす真由美さん。
「明るく働いてくれるのはいいんですけど、スナックのママじゃないんだから、とふと思ってしまうことも……」