目次
Page 1
ー 老後に泣きを見ない!
Page 2
ー 時間の使い方こそが金銭感覚を映す鏡
Page 3
ー 「生活の枠」を決めてパートナーと共有を
Page 4
ー 定年後の長い人生は身体のメンテも節約

「お金に振り回されない老後にするためには、50代のうちから少しずつ生活を変えていくことが大事です」

 そう話すのは、“元祖スーパー主婦”としてメディアにも登場する家事アドバイザーの山崎美津江さん。

老後に泣きを見ない!

 自身も現在は年金で暮らす家庭の主婦。2人の子どもにかかる教育費が終わった時には、定年後に向けた家計の見直しを経験した。教育費が減って家計に余裕ができると考えていたが、「出していたものを小さくするのは意外と難しかった」と振り返る。

「つい衝動買いをしてしまうように、やっぱりお金を使うことは一種の快感なんだなと思い知らされました。

 老後に備えて出費を減らしたいはずなのに、それまでの習慣や使いたい欲望に引っ張られて、支出額を一気に絞ることができませんでした。結局、1年以上かけて段階的にコンパクトにしていきました」(山崎さん、以下同)

 とはいえ、「“爪に火をともす”ような倹約生活へのシフトとは違う」と語る山崎さん。

山崎さんのプライベートスペース、「家事部屋」には、歴代の家計簿を保管。「食費は45年間で3500万円」(写真提供/山崎美津江さん)
山崎さんのプライベートスペース、「家事部屋」には、歴代の家計簿を保管。「食費は45年間で3500万円」(写真提供/山崎美津江さん)

「老後のお金を守るには、現役時代のように支出額だけを減らしてもダメです。“お金と時間”の両方の使い方を考えて暮らすことが大切。そうすることで、健康で穏やかな日々を過ごせると思いました」

 では、老後の家計を安定させるために、具体的に何をすべきか。自身の経験も踏まえ、定年後が現実的になる50代から備えておきたい5つのポイントを教えてくれた。