以前は妻と子ども、犬がいると賑やかな一家だったが…

「当初は奥さんと子ども、ダックスフント2頭という賑やかな一家で家族仲はよさそうでした。変化がみられたのは7〜8年ぐらい前。いつの間に別居したのか、奥さんがたまに自転車で通ってくる関係になり、子どもの姿も見かけなくなったんです。車も処分したようでした」(同じマンションの住人)

 登記簿謄本などによると、容疑者は22年前にローンを組んでマンションを購入。ところが8年前から神奈川県や横浜市に次々と自宅を差し押さえられるようになり、税金などを滞納するほど家計が苦しくなった様子がうかがえる。差し押さえは2年前にすべて解除されているが、家族は戻ってこなかった。

「マンション住人とは付き合いがほとんどないと思う。路上から部屋を見上げると、週に1回、洗濯物を一気にベランダに干す習慣があるらしく、それがTシャツ30枚ほどが並び、大量なので目立った。窓のすだれはバラバラに壊れ、室内は荷物がゴロゴロと散乱するなど荒れていた。ひとり暮らしが長くなるうち生活が乱れたのかもしれないが、騒音など周囲に迷惑をかけるようなトラブルは起きていない」(別の住人)

 前出の住人はこう付け加える。

「よく黒か紺色っぽいニット帽をかぶっていて、帽子をとると頭髪が薄いのは知っていました。でも、フード付きのロングコート姿や金属バットを手にする姿は見かけたことがありませんでした」

 複数の住人によると、ほかの住人と積極的に交流するタイプではなく、住人集会にも出席したことがない半面、迷惑な存在でもなかった。

 自宅を訪ねると、なぜか玄関前にビニール傘や女性用折り畳みなど傘をズラッと10本も並べていた。洗濯同様、“溜め込む”傾向がみられる。

容疑者宅前に並べられた10本の傘。女性用のものも
容疑者宅前に並べられた10本の傘。女性用のものも
【写真】玄関の前には大量の…容疑者の奇妙さが垣間見える意外な行動

 一部報道によると事件当日は仕事を休んでいたことが判明。

 複数の関係者によると、過去には宅配便の仕事をしていたようだといい、一時期は夜間に留守がちな生活を送っていたため「夜の商売をしているのではないか」とみるマンション住人がいた。

 一方、亡くなった柴田さんは技術職で勤め先を退職後、同県藤沢市内の一戸建て住宅で妻とふたりで暮らしていた。容疑者宅とは約2キロ離れている。