過去にはPTAから抗議の作品も
小学生向け漫画雑誌の年齢層の幅も、今回の騒動の一端になっているのではと和久井さん。
「『ちゃお』や『りぼん』など小学生向け漫画雑誌の最新号を読ませていただいて思ったのが、大人が読んでも違和感なく楽しめる作品ばかりという印象でした。たぶん、内容的に高学年に向けて作られているんだろうと思います。小学生って1年生と6年生じゃ精神面も全然違うじゃないですか。『ニコ☆プチ』の付録で初めて『溺愛ロワイヤル』などを読んで驚いた低学年の子どもを持つ親の反応も、炎上につながった一因ではと思います」
では、過去にも少女漫画において、性的描写をめぐる騒動はあったのか?
「私が知る限りで最初に炎上といえるのは『ベルサイユのばら』のオスカルとアンドレが結ばれるシーンだったと思います。当時、PTAや読者の親から、発行元の集英社に『子ども向けの漫画になんていうものを載せるんだ』などと抗議の電話があったそうです」
今後もこういった性的表現をめぐる騒動が起きる可能性はあるが、親はどういった対応をするべきなのか。
「何が問題で見せたくないのか子どもとちゃんと話すべきでは。ネット時代に子どもを性的なものに触れさせないのは、なかなか難しい。単純に子どもから漫画を取り上げるのではなく、性について学ぶ機会にしたほうが建設的かなと思います」
前向きに捉えれば、少女漫画から得られるものが多いのかもしれない─。