足を上げるだけでトイレの回数が減!
寝る前に行ったのに、夜中に何度もトイレに起きてしまう。そんな夜間頻尿のお悩みについて、宮津武田病院院長の曽根淳史先生は「夜間頻尿は膀胱(ぼうこう)を空にしてから寝ても起こります」と話す。
ではその尿はどこからきたのか?
「答えはふくらはぎです。血液は、心臓やふくらはぎの筋肉などがポンプの役割をして循環させています。水を飲むと、胃や腸で吸収された水分はいったん血管の中へ。その後、身体は全身の水分量を一定に保とうとして、増えた水分を尿に変えます」(曽根先生、以下同)
ところが、加齢などによって心臓やふくらはぎの筋肉が衰え、ポンプ機能が弱まっていると──。
「血液を押し上げる力が足りないため、水分が循環できず、血管中にたまった水分が漏れ出して、むくみとしてふくらはぎにたまってしまいます。
このとき、いったんは血液中の水分量が減るため、尿はつくられないのですが、就寝時、重力の影響を受けなくなった水分は再び血管へ。その増えた水分を減らそうとして尿がつくられてしまうのです」
筋力低下からくる夜間頻尿の場合、朝と比べて寝る前にふくらはぎがむくみ、太くなっているのが特徴の1つ。対策としておすすめなのは夕方に30分間、足を上げることだという。
「足上げをすることで、ふくらはぎにたまった水分を血管に戻して、排泄(はいせつ)するよう促します」
横になって足を上げるだけなら簡単だ。夜のトイレで困っているならぜひ試したい。
夕方の足上げ【実践の目安 夕方に30分】
薬を使わずにトイレに起きる回数を減らす!※1か月続けて効果が感じられない場合は、専門医にご相談を。
【やり方】
1.あおむけになり足を上げる
足の下にクッションなどのやわらかいものを敷き、あおむけになる。
2.30分間、足を上げた状態にする
(1)の姿勢を30分間キープする。負担を感じないくらいの無理のない範囲で行う。
実践者の声:端河 潔さん(81歳)※取材当時
“足上げ”のおかげで夜、トイレに起きる回数が減りました!(取材当時)
数年前から夜間頻尿に悩んでいたという端河さん。「年齢のせいか……」とあきらめていたそう。
そんなとき、テレビ番組で紹介されていた「足上げ」を実践してみたところ、なんと、その日のうちに効果を実感。夜中、トイレに行く回数が1〜2回程度に減ったと話す。