「容疑者は“画像を送りなさいとは言っておらず一方的に送ってきた”などと容疑を否認している。“私は関係ない”と。しかし、画像や映像を送らせたのは1回きりでなく、複数回のわいせつなやりとりを確認している。具体的な回数は捜査中だ」(捜査関係者)
美術教室は津駅前の古びた建物の1階にある。
「大勢の小・中・高校生が通っていましたが、ヒーロー先生は近寄りがたいオーラを放っていました。堂々たる体格にヒゲづら、髪をうしろで束ねたちょんまげスタイルで、赤いブルゾンとはき古したデニムで周辺をプラプラ歩いていました」(地元住民)
教室の募集要項によると、月謝は週1コマ授業の場合、小学生は6596円、美術系高校を受験する中学生は9200円、高校生は9900円。芸大・美大受験の週10コマのコースは、月額5万1300円と負担は大きい。ほかに入学金がかかったり、実技模試や夏期講習もあり、子どもの才能を伸ばすためでも保護者には金銭的にキツイだろう。
それほどの月謝を取るヒーロー伊藤は地元・津市の出身。県立高校を卒業後、上京して法政大学文学部の日本文学科へ。芸術の道に進んだのは意外な角度からだった。
“ヒーロー伊藤”を名乗るようになって
「東京で芸人になったんですよ。大道芸系のパフォーマンスアート芸人で、そのころから“ヒーロー伊藤”と名乗るようになったみたいです。大学の学園祭でお笑いバトルの審査員を務めたこともある。三重に帰ってから美術教室を開くなどアートに軸足を置くようになった」(都内の知人)
つまり、独学で美術を学んだということ。
美術教室で生徒を指導する一方、国内外の小規模の絵画コンテストに出品して賞を獲得したり、個展を開くなど主に油絵画家として活動を続けてきたという。
かつて容疑者が個展を開いた画廊の男性オーナーはこう話す。
「逮捕には首をかしげるばかりです。ヒーローさんとは数十年の付き合いになりますが、外見は異質に見えても根はまじめでおとなしい性格ですから。女性絡みの噂は聞いたことがありません。生徒思いで、時間外指導をしてあげたり、生徒が展覧会に出す作品を自分の車で運んで会場に並べてあげるなど熱心でしたよ」
パフォーマンスアートも封印していないそう。音楽に合わせ逆立ちして絵を描いたり、半裸状態にラップを巻いた身体で絵を描くなどショー的要素の強い内容らしい。
「一度、ラップを助手に取ってもらうタイミングが遅れて“しんどかった”と苦笑いしていました」(同・オーナー)