「24時間あるうちのたった20分がんばれば変わるんだよ
「その場では笑顔で対応しましたが、心がすっかり折れてしまって。もともと明るい性格なのですが、イベントが終わってからも、ずっとモヤモヤした気持ちを抱えていました。原稿も手につかなくなり、ふと鏡を見た時に、そこには“アラサーの太った全然楽しくなさそうな覇気のない女”が写っていて。これがいまの私……。と心底落ち込みました」
その頃には肥満による生理不順もあり、心身ともにボロボロに。このままではマズイ、と一念発起しダイエットをはじめることに。きっかけは友人のある言葉だったという。
「当時の私は、まさに『ちいかわ』に登場するハチワレというキャラが発する名言(?)『喜びがない~』状態で(笑)。そんな時に友人が電話で“最近筋トレばっかしてる”と話していて。えらいね……と返すと“1日24時間あるうちのたった20分がんばれば変わるんだよ”という言葉をかけられハッとしました。マンガの原稿では20分で1コマ描けるか描けないか。そのちょっとの時間だけならがんばれるかも、と思い運動をしようと決心しました」
心身ともに健康になりたいと、ダイエットのために筋トレをはじめたしりでっどマンさん。最初に取り組んだのは、自宅でできるトレーニング“ワークアウト”をサポートするNikeの無料アプリだった。
「昔スポーツジムに通っていたことがあるのですが、めんどうになって長くは続かなくて。家でできる運動はないかとこのアプリに辿りつきました。自宅でできる筋トレやヨガをサポートしてくれて、無料というのもうれしい。あとは、ワークアウト後にアプリ内でトロフィーがもらえるのですが、ゲームアプリのログインボーナスみたいな感じもあり(笑)楽しく運動する習慣が身に付きました」
毎日運動をする習慣が身に付いたところで、脂肪を燃焼するのには“有酸素運動”が効果的と知り、1万円台のエアロバイクを購入することに。
「仕事から帰ってくるとだいたい20時過ぎ。そこから着替えてウォーキングをするのも……と思い、エアロバイクを導入してみました。私は『弱虫ペダル』という作品が好きで。運動音痴の高校生、小野田坂道くんが自転車競技部で仲間とともにインターハイを目指す話なのですが……。“小野田くんもあんなにがんばってたんだ……。私も彼のようになりたい!”という気持ちで1日最低20分漕ぎました(笑)。エアロバイクだとアニメを観ながらでも漕げるので、“アニメはエアロバイクを漕いでいる時しかみない”と決めたのも良かったのかも」
Nikeアプリのワークアウトとエアロバイクを駆使し運動を続けていると、1か月で4kgほど減量。さらに、ハードな運動と休憩を繰り返す「HIITトレーニング」をはじめると順調に体重が減っていったそう。最後には食生活を見直すようになり、8か月で-20kgのダイエットに成功した。
そんなしりでっどマンさんの宅トレ成功のカギは、“推しの力を借りる”こと。
「HIITトレーニングはラジオ体操と同じでだんだんと“次はこの運動”と何をやるかを覚えてくる。なので、音楽をかけてノリノリになりながらやっていました。よく聞いていたのが、ヒプノシスマイクの楽曲。テンポが速かったり、曲に勢いがあったりと筋トレをしながら聞くのにぴったりなんです!」