『Mステ』を救ったジャニーズ

 しかし、これ以降もジャニーズの顔色を伺うことを止めなかったというテレビ朝日。癒着のきっかけには諸説あるものの、やはり現在でも必ずジャニーズグループが1組は出演する『Mステ』の存在が大きいようだ。

「'90年代には『Mステ』出演は“スターの証”でしたが、番組が開始した'80年代は、低視聴率から打ち切り危機に陥ったことも。番組の人気低迷も続き、出演するアーティストも集まらなくなっていた時期に、救いの手を差し伸べたのがジャニーズだったんです。当時人気絶頂だった光GENJIを何度も出演させて、そこから視聴率もうなぎのぼりに。この流れから、現在に至るまで毎回必ずジャニーズグループが出演するようになったと言われています。テレビ番組で初めて“ジャニーズ枠”という概念が生まれたのも『Mステ』からだったのでは」(前出・レコード会社関係者)

 なお、ジャニー氏は出演するグループ以上に、目をかけていたJr.を活躍させるべく、毎週テレビ朝日を訪れてリハーサルから指導や演出にも関わっていたという。

「その後、ジャニーズも『Mステ』も業界内で大きな権力を持つようになり、癒着関係が悪い方向にまで作用するように。ジャニーズ以外の男性アイドルがほぼ番組に出演できないという、圧力めいた状態が現在に至るまで続いています。もはや視聴率や世間への影響力的にも、『Mステ』を続ける理由はなくなってきているだけに、頼みの綱だったジャニーズがこの状況に陥ったことで“ようやく打ち切りを決行する材料が揃った”と話す関係者もいるほどです」(同・レコード会社関係者)

 さらに『Mステ』を巡っては、別方向からも「打ち切り説」が聞こえてきているようだ。

「8月中旬に『週刊文春』が報じたタモリさんの“終活”ですよ。36年に渡って『Mステ』のMCを担当したタモリさんですが、彼が降板することになれば必然的に『Mステ』も終了するというのは、実は局内での共通認識。今年3月の『タモリ倶楽部』終了時にも、『Mステ』降板説は浮上していただけに、打ち切りはもはや時間の問題と見ていいでしょう」(芸能プロ関係者)

 ジャニーズ、タモリというふたつの要を同時に失いつつある『Mステ』。長らく国内の音楽シーンを象徴してきた音楽番組は、果たしてこの終焉を予想していただろうか。