移籍は「二刀流を認めてくれる」が最大条件

 右肘のケガや、来年に30歳となる年齢も関係してくる。

「二刀流はかなり負担がかかるので、いつかは故障するだろうと思われていました。いつまでも若くはいられないですし、バッターとして活躍できるうちに野手として、打席でも守備でも活躍するという選択をしてもいいのかなと。打者として数々の記録を打ち立てていく、“大谷翔平第二幕”という展開にも期待したいです」

 大谷には二刀流、特に投手としてのこだわりがあるよう。現地で取材をするスポーツライターの梅田香子さんはこう話す。

「ピッチャーのほうに比重を置いて、投手として活躍したいという思いが強いみたいです。栗山英樹さんもおっしゃっていましたが、あまのじゃくな反発精神があるので、“打者でプレーすべき”と周りが言えば、投手として頑張ると思います。そうなると、FAになっても二刀流を認めてくれる球団になるので、エンゼルスに残留するという可能性も十分にあります。ケガの直後こそ来季以降の契約金が下がると思われましたが、現在はケガ前と変わらない評価。エンゼルスも史上最高額のオファーを出すのでは」

 負傷しても大谷の“市場価値”は変わらないようだが、移籍先の候補が減ったのは事実のようで……。

ニューヨーク・ヤンキースなどのアメリカ東海岸に本拠地を置くチームの幹部は、肘のケガに“それ見たことか。二刀流なんてムチャなことをしているから無理がきたんだ”と考える人もいるようです。

 ただ、ヤンキースは大谷獲得にはそこまで興味がなく、大谷選手がメジャー挑戦を表明した'17年に断られたということもあり、オファーを出さない可能性もあります。大谷選手自身も現在過ごしている西海岸の環境を気に入っていて、何よりも二刀流を認めてくれるというのが最大の条件。初めからヤンキースなどは移籍先として、考えていないかと思います」(梅田さん)

ヤンキースのロゴマークが入った大谷のボードを掲げるファン。ケガで獲得には消極的なようだ
ヤンキースのロゴマークが入った大谷のボードを掲げるファン。ケガで獲得には消極的なようだ
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 アメリカでの大谷の“リアル”な評価も、日本と同じくらい揺るぎないものになっているようだ。

梅田香子 スポーツライターとしてアメリカに在住し、大リーグを中心に取材活動を行う

志村朋哉 在米ジャーナリスト。アメリカメディアで唯一の大谷翔平の番記者を務めた

小林信也 作家、スポーツライターとして、幅広い分野で取材、執筆活動をしている