その結果、いったん生産は終了。ところが、営業担当の九州では人気があるとの強い要望もあり再販売が決定し、首の皮がつながった。
「今でもなぜ九州だけ人気が高かったのかは謎です」と牧さんは話すが、ブラックサンダーは九州の人々によって下支えされ、全国販売を再開。そういえば、内村さんも長崎県出身……今日の人気は、九州パワーあってこそというわけだ。
生協の白石さんのブログで話題に
ターニングポイントを問うと「'04年に関西地方の大学生協で人気が出始めたことと、同時期にコンビニでの販売が開始された」ことを挙げる。
「30円という価格帯が、大学生にとっては安くて食べごたえがあると評判を呼びました。その後、生協の白石さんのブログで紹介され、インターネットを中心に話題になり、コンビニで購入される方が増えました」
そして、'08年の北京五輪で内村さんの好物として紹介されると大ブレイク。この年、年間販売個数は4500万個を突破し、品切れ状態になったというからウルトラCである。
ブラックサンダーの代名詞であるザクザク感は、「特殊な配合で製造しているビスケットの食感によるもの」と牧さんは語る。
「愛知県豊橋市にある自社工場でビスケットを焼いています。現在、プレミアムシリーズと題して、『至福のバター』『優雅なヘーゼルナッツ』などを製造していますが、それぞれ異なる配合のビスケットを焼き上げています」
'13年には、初のバレンタインイベントとして、「一目で義理とわかるチョコ」と強調したPRを展開したことでも話題になった。
「ブラックサンダーは、ラッキーパンチのような商品でした。自分たちでPRした結果、人気になったわけではありません。より多くの人に親しんでいただきたいという思いから、初めて仕掛けたプロモーションが“一目で義理とわかるチョコ”でした」