竹下さんが冒頭で述べたとおり、火災保険のプランの中には水災を補償範囲としないものもある。風災などほかの脅威も含めカバー範囲をチェックしておきたい。
「マンションを購入した人は、一戸建てとは見直しポイントが異なります。給排水設備の故障による水漏れの補償と、個人賠償責任保険を特約として火災保険に付帯しておくと安心でしょう。個人賠償責任保険は水漏れによる階下の住人の家財被害まで補償するものです」
そもそも火災保険の補償対象は「建物」と「家財」に分かれる。持ち家の場合、住宅ローンを組む際に建物の火災保険加入は必須だが、家財は任意。また、火災保険とセットで入る仕組みの地震保険も任意となる。
「持ち家の人は、家財の火災保険や地震保険を付けたほうが安心といえます。地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の30%から50%を限度としています。
ですが、近年は火災保険に地震上乗せ特約を付けることによって100%まで地震補償を得られるところも。希望するなら取り扱いのある保険会社に火災保険見直しの検討を」
一方で賃貸の場合、建物の火災保険は大家が契約するので不要となる。
「地震保険も大家さんの契約になるので不要です。家財についてのみ火災保険に加入すればいいでしょう」
現在、持ち家の場合の火災保険の契約期間は最長5年となっている。1年更新を選択している人も少なくないが、見直しの際には5年更新への切り替えをすすめる。
「5年分一括の支払いなのである程度まとまった資金を必要としますが、その分、保険料は割安に。来年の値上げの影響を減らすことができます」
築年数の古い家もしっかり備えを
築年数の古い家に住む人は、「いまさら火災保険なんて必要ないのでは……」などとお考えかもしれない。
「むしろ古い家に住む人にこそ、火災保険は強い味方です。台風や大雨で自宅が被害に遭ったら、貯金では賄えないくらいの資金が必要に。備えあれば憂いなしといえます」
保険料値上げ前に準備して、財布も家も守るべし!
(取材・文/百瀬康司)