「気温差」で血圧は急上昇する
「大動脈解離は血管がもろくなることが原因だと考えられています。血管がもろくなる原因はコレステロールや糖尿病、喫煙などいくつかありますが、もっとも大きな要因は高血圧です」(増田先生、以下同)
ふだんから血圧が高めの人はもちろん要注意だが、血圧は、正常な人でも何かの拍子に突発的に急上昇し、非常に高い数値になってしまうことがある。たとえば気温差だ。暖房のついた温かい部屋から寒いトイレに行っていきんだりすると、血圧は急上昇する。
一定の圧力がかかっている血管に急に大きな圧力がかかると、その力が全身の血管内を駆け巡る。その圧力に耐えきれずに脳の細い血管が破れると脳出血になり、もんたさんの場合は大動脈が耐えきれなかったということだ。
「寒さや気温差、トイレでいきむなどは血圧上昇の大きな誘因になります。お風呂場の脱衣所も要注意。寒い時期は事前に暖房で温めておくのもひとつの手です」
足元は温度に反応しやすい部位なので、寒い日の朝、起きてすぐに裸足で歩くのも、血圧が急上昇する危険があるという。朝は交感神経が優位で血圧を抑える力が弱まるため、もともと血圧が高い時間帯だ。足元を冷やさないよう、室内を移動するときはスリッパをはくのも血圧コントロールに役立つ。
普段のちょっとしたことで血圧の上昇を抑えることが可能なのだ。このあとやってくる寒い冬、命を守るためにも生活にとり入れたい。