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ー 息子・遥氏の作品にショックを受けて…

 ロックバンド「BUCK-TICK」のボーカル櫻井敦司(57)さんが今月19日に脳幹出血で急逝した。

《信じられない。あっちゃん早いよ、まだまだこれからなのに》

《詩の世界観や普段は穏やかなのに唄うときの激しさ、そして生き方全てが格好良かった》

《あんなに美しい男性がいるというのがとにかく衝撃だった》

 など、早すぎる死を悼む声がネット上に相次いだ。

「櫻井さんは1991年にスタイリストと結婚しましたがその後、離婚し2004年に再婚。最初の結婚のときのお子さんが作家の遠野遥氏。平成生まれ初の芥川賞作家として一躍有名になりました。お父さんゆずりの長身痩躯、クールな面持ちのハンサムで熱狂的な女性ファンを獲得しています」(レコード会社関係者)。

息子・遥氏の作品にショックを受けて…

遠野遥氏(本人Xより)
遠野遥氏(本人Xより)

 現在32歳。慶應義塾大学法学部在学中に小説を書き始め、卒業後の2019年に『改良』という作品でデビュー、第56回文藝賞を受賞。2020年7月には第2作目となる『破局』で第163回芥川賞を受賞。『教育』で第43回野間文芸新人賞候補に。新時代の書き手として快進撃を続けている。

 親子と明かしたのは文芸誌『文藝』2020年冬季号。同誌は「生まれながらの影響 ─抱きしめたいほどの虚無」と題した対談を掲載。お互いを「遠野先生」「櫻井さん」と呼び合い、敬語で話す2人のやり取りを、8ページにわたって紹介した。

 BUCK-TICKを小学生の頃から聴いていたという遥氏に「知らなかった」と照れながら感謝。「ダークな世界観が確立されているバンドだなと思っていたんです」と語りかけられると「ありがとう。感激しちゃうな」と応じるひと幕も。「SNSでの批判や苦言は気にしない」と話す遥氏を「肝のすわった新人」と父・櫻井さんは評価していた。

「息子さんが大学を出てから作家活動をしていることは耳にしていたようです。芥川賞受賞の際は万年筆をプレゼントしたり、本のタイトルにアドバイスしたりすることもあったとか。しかし遥氏の作品にはときに性や暴力が激しい描写があり、ショックを受けたとも語っています。父親としての複雑な心境だったのでしょう。“自分の作品も明るくはないから、もしかしたら無意識のうちに影響を受けていることがあるのかもしれない”と遥氏はかつてインタビューで答えていますが、親子でありながら表現者、創作者として互いにリスペクトし尊重する関係性だったのだと思います」(前出・レコード会社関係者)

 独自の音楽性を貫いた父の生きざま。今後は遥氏の紡ぐ文学のなかに、美学の遺伝子の一端が引き継がれていくのだろうか――。