人気女性ファッション誌の表紙を飾るなどモデルとして活躍していた敦子さん。'19年に離婚、5人の子どもを抱えながら助産師を目指し5年の学校生活を送った。現在は病院に勤めて2年目。「土日の呼び出しもあるし、去年は三が日も仕事」離婚後の不安な思いを支えたもの、子育てと仕事の過酷な両立生活を語った。
きっかけは発展途上国の実情を目にしたこと
「ちょっと疲れたなとか、しんどいなっていう日も、職場に行って赤ちゃんと触れ合うと楽しくて。やっぱり赤ちゃんのパワーってすごいんですよね。仕事が楽しいということほど幸せなことはないと思うし、助産師になって本当に良かったなって思います」
そう語るのはモデルの敦子(45)。『VERY』などファッション誌のモデルとして活躍しつつ、助産師の国家資格を取得。助産師として働き出し、今年で2年目を迎えた。
「出産が近づくと夜中に病院に駆けつけることもあります。呼ばれたら30分以内に到着しないといけないというルールがあるので、当番の日はいつ呼ばれてもいいように、早めに子どもたちのご飯を作るなど、バタバタと家の用事を片づけるようにして(笑)」
実は彼女、5人の子どもを育てるシングルマザーでもある。結婚は25歳のときで、元夫との間に4男1女を授かる。5人の子どもの出産を経験し、いつしか助産師に憧れを抱くようになっていた。
「ただやはり助産師になるのは難しいし、無理だろうなとずっと思っていたんです」
大きな転機になったのが、2015年に国際協力NGOジョイセフの活動で訪れたタンザニア。発展途上国の実情を目にし、現地の母親と接した経験が彼女の背中を押す。
「モデルとしてNGOの支援を広めるのも活動のひとつではあるけれど、実際に私も役に立ちたいと思ったのが大きな一歩になりました。人生のターニングポイントだったと思います」
一念発起し、看護学校受験を決意。しかし子どもたちはまだ幼く、5児の母としてすべきことは多い。家事・育児の合間を見ての受験勉強だ。
「昼間は家事で忙しいので、朝早く起きて高校の数学のテキストを解いたり、漢字や英単語帳を持ち歩いて覚えたり。無事に合格しましたが、本当に大変だったのは学校に入学してから。このときの授業はそれこそ必死になっていた記憶があります」