お笑い第七世代の影が…

 そもそも霜降り明星は『お笑い第七世代』の中心的存在で、四千頭身、ハナコ、宮下草薙、ぺこぱらとともに2019年ごろから脚光を浴びていたが、「そういえば『お笑い第七世代』ってどうなった?」というほど彼らは影が薄くなっている。

 四千頭身・後藤拓実は、以前に比べ仕事が減り、タワーマンションから引っ越したことをカミングアウト。収入が家賃を下回るという苦しい状況に陥っていた。また“誰も傷つけない”スタイルの笑いで人気を博したぺこぱは、2023年に入りレギュラー番組の終了ラッシュに見舞われている。

 さらに、「2023上半期タレント番組出演本数ランキング」(ニホンモニター株式会社と株式会社ワイヤーアクションの共同調査)でも、第七世代は伸び悩み、ランクインはほとんどなし。一方で上位にはバナナマンやハライチ、麒麟川島明、チョコレートプラネット、オードリー、かまいたち、千鳥といった先輩芸人が名を連ねている状況だ。

 第七世代の芸人が置かれている現状について、ある放送作家はこう語る。

「今は第七世代よりも第五や第六などの少し上の世代の芸人が何かと重宝されています。“平場のトーク”などともいわれますが、ひな壇やロケでのアドリブ力は一朝一夕に身に付くものではなく、経験がモノをいいます」

 この作家によると、2006年の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で放送された『baseよしもと芸人』が象徴的だという。

「笑い飯、麒麟、千鳥、とろサーモンという今バリバリの実力派として鳴らす芸人達が出演した会です。16年後の昨年6月に同じく『アメトーーク!』で放送された『baseよしもと芸人、その後…』では同じメンバーで2006年の『baseよしもと芸人』を振り返ったのですが、驚くほどトークが硬く荒削りでかつ、下ネタなど汚い題材が多く、一同苦笑していました。このメンツでさえ、若手の頃はトークができなかったんだなと驚かされる会でした。やっぱり経験なんですね」
 
 第七世代はいわゆる“中堅の壁”に阻まれているとも言えるだろう。

 四千頭身後藤が再びタワマンに返り咲き、粗品は一皮剥け、今走っている“痛烈ディス芸“を笑って反省会する日は来るのだろうか。