「おそらくFA抜きで査定すれば来シーズンは年俸1億円、もしくは倍増の1億2000万円を手にしたはず。一般的に見たら倍以上の“2億円、3億円を出してまで獲りに行く選手?”と、他球団から“過大評価”されている選手と思うかもしれません」
スポーツ紙・野球担当記者が評するように、現球界において年俸3億円(推定)の評価がなされた投手といえば、FAで阪神タイガースに入団した西勇輝投手、東北楽天ゴールデンイーグルスの則本昂大投手、中日ドラゴンズの大野雄大投手、DeNAの山崎康晃投手ら各球団で結果を出してきたエース級ばかり。
山崎投手が評価されるエース級の「数字」
そこに山崎投手も名前を連ねる、というのはFA争奪戦がいささか加熱しすぎている気もするけども……。
「近年のFA市場が高騰傾向にあり、中には争奪戦の末におよそ“見合わない年俸”を手にするケースがあるのも事実。ただ勝ち負けの数字だけで判断すれば“見合わない”と査定されがちな山崎投手ですが、特筆すべきはローテーションをほぼ3年間守り続けたタフさと、その3年間の“WHIP”です」(前出・野球担当記者、以下同)
投手能力を測る上で指標の一つとなる「WHIP」。投球回数に対して、どのくらい与四死球と被安打数があったのか数字で算出するもので、山崎投手はこの3シーズン、それぞれ1.16、1.21、1.16を記録している。
「数字が低いほどにランナーを塁に出す確率が低く、チームメイトの絶対的エース・山本由伸は2023年シーズンは0.88と“怪物級”。山崎投手の1.16は、他球団であればエース級と評価される数字です。
つまりは“試合を崩すことなく年間を通して仕事ができる、安定感ある左投手”というのが、彼を必要とする球団の評価だと思います。どのチームも先発のコマ不足に悩まされているだけに、山崎投手は西武ライオンズの山川穂高以上に争奪戦が起きる選手ということ」
まさに熟成されたウイスキーのように、2024年シーズンで10年を迎える安定の「山崎」が値上がりするのは当然のようで。