「デビュー当時のユニットは5人組だったんですけど、最後に残ったのがわたし含めて2人だけで。その子があるとき大きなけがをしちゃって、入院したことがあったんです。そのとき病室で聴いていたのがラップで、色々なラッパーを紹介してもらっているうちに“2人でラップやろうよ”という話になり、事務所を辞めて2人だけで楽曲制作を始めました」
ステージに戻りたい
ラップへの知識を深め、スキルを磨いていく中で、再び壁にぶち当たることになる。
「2年間くらい女の子と2人でラップをやりましたが、せっかく曲を作っても世の中への発信の仕方が分からなかった。ライブをしたくても、ステージに立ちたくても叶えられないなと痛感しました。事務所に所属していたときは、大人たちがステージや曲を用意するのは全部当たり前の世界だったので。
やりたい音楽は作れているのに誰かに届いている実感がなく、モヤモヤがどんどん募っていき、ステージに戻りたいという気持ちを相方に伝えました。そんなときにたまたま知ったのが、シャーリーのオーディションだったんです」
2021年に、配信サービス『U-NEXT』の番組『SHARE & LIVE』で、応募者2000人以上の中からオーディションを勝ち抜いたメンバーで結成されたシャーリー。瀧澤もオーディションに合格し、グループの一員となった。
ステージに立つという目標を叶えてから2年。心境の変化はあったのだろうか。
「ステージに立って何かを表現することがすごく嬉しくて、水を得た魚とはまさにこのことだなと。ただやっぱり、過去に散々経験してきたはずなんですけど、事務所やグループって、思い通りに行かないことや自分を制御しなきゃいけない、誰かのために自分を犠牲にしなきゃいけない瞬間もあって。
目標が叶った今、自分が本当に表現したいことや伝えたいことを、与えられたものだけじゃなくて、自ら生み出して伝えていけるようになりたい。 2年間の後半は、そんなことをひそひそと1人で思っていました」
そんな時に出会ったのがラップバトルだった。「最初は無理だろうって思ってました」と瀧澤は語るが、なぜ挑戦することになったのだろうか。