“ネトウヨ”陰謀論者まで便乗

宝塚歌劇団を擁護する一部の過激なファンが、東氏の在籍期間が短かったこと、また20年前であることを指摘し、宝塚の現状をわかっているはずがないと批判しているのです。中には、彼女がスターへの嫉妬心から宝塚の批判を展開しているのではと勘繰る声、さらには彼女がレズビアンであることに対する差別的な書き込みまでみられる始末。このような言葉をぶつけられる東氏の心労は計り知れません」(ウェブメディア編集者)

 こうしたごく一部の暴走するファンに賛同するのが、旧ジャニーズ事務所を擁護する層なのだという。

「故・ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐっては、一部の旧ジャニーズファンが、“事務所を潰そうとしている”として、被害を訴えた元ジュニアを敵視。事務所サイドがジャニー氏の性加害を正式に認め、謝罪しているにもかかわらず、今もなお“嘘をついている”“金目当て”などと被害者を誹謗中傷し続けています。

 そんな一部の旧ジャニーズファンには、東氏もまた“私利私欲で宝塚を潰そうとしている人物”に見えるのか、彼女へのバッシングに加担。さらには、 “旧ジャニーズや宝塚の騒動は、日本の芸能を潰そうとする韓国こそが黒幕”と唱える“ネトウヨ”陰謀論者までそれに便乗するという地獄絵図が繰り広げられているんです」(前・同)

11月14日に宝塚市内で行われた劇団会見。辞任を表明した木場理事長(中央)の後任は右端の村上浩爾氏が務める 写真/産経新聞社
11月14日に宝塚市内で行われた劇団会見。辞任を表明した木場理事長(中央)の後任は右端の村上浩爾氏が務める 写真/産経新聞社
【写真あり】「口汚く怒鳴られて…」宝塚内部を暴露して非難を受けてしまった元タカラジェンヌ

 ジャニー氏の性加害を告発した元ジュニアが、被害のトラウマに誹謗中傷などが重なったことで心労がより一層深刻になり、自死に至ったと伝えられたのは11月中旬のこと。こうした事態を受けてもなお、「東氏に暴言を吐く人が後を絶たないのはあまりにもショック」(前・同)だという。

“告発者”への誹謗中傷は、性被害やいじめ、パワハラに苦しむ人の口を塞ぐことにもつながりかねない。これをどう止めるかも、社会全体で考えなければいけない問題ではないだろうか。