「大掃除=大量に物を捨てないといけない……と考えると、ストレスを感じる人も多いと思います。捨てることに罪悪感を覚えたりして、なかなか物を捨てられない人は、考え方を少し変えると、片付けのハードルがグッと下がりますよ」
と話すのは、整理収納アドバイザーの清水幸子さん。これまでに1000軒以上のお宅を訪問し、片付けのお悩みを解決してきた。
「特に50代、60代の方は“もったいない精神”がとても強く、物をため込みがちです。物を捨てられない人は“手放す”と考えて、単に処分だけではなく、人に譲る、リサイクルに出すといったことも考えるとよいと思います」(清水さん、以下同)
とはいえ、なかなか物が減らないのも事実。そんな時はどうすれば?
「100均などで買える便利グッズを上手に使ってみてください。収納を増やすことができ、かつ暮らしがラクになる動線づくりもできます。ぜひ、今年の大掃除で実践してくださいね!」
と思いながら、なかなか手がつけられない“物あふれスポット”、上手なアプローチ方法をご紹介しよう。
ぎゅうぎゅうな靴箱は便利グッズで収納を2倍に増やす!
家の顔ともいえる玄関。いつの間にか履いていない靴であふれ返ってはいないだろうか。親戚や友人などを迎え入れる機会が多くなるこれからの時季、すっきりさせて風通しをよくしたいものだが……。
「靴はため込みがちなアイテムですが、気づかないうちに劣化していることが多いので注意が必要。久しぶりに履いて出かけたら、ストラップが切れたりしてケガの原因にもなります。すべての靴を靴箱からいったん出して、劣化していないかをチェックしつつ、“1年履いていない靴は手放す”など自分の中で基準を決めて整理してみてください」
ぎゅうぎゅう詰めになった風通しの悪い場所で保管すると、カビが生えたり靴の劣化につながってしまうそう。靴をダメにしないためにも、ゆとりのある収納が大事だ。
ただ、冠婚葬祭でしか履かないパンプスやレインシューズなど、どうしても手放せない靴も。
「靴箱の収納を増やすアイテムとしておすすめしたいのが、『シューズストッカー』。2足の靴を重ねて収納できるので、収納スペースが広がります。100均でもお手軽に買えるアイテムです」
また、玄関で使いたいスプレータイプの消臭剤などは、つるして収納すると取り出しやすくなる。
「玄関の引き出しなどにしまってしまうと、スプレーするまでに『取り出す』という工程が加わるので取り出すのも元に戻すのも面倒になり、結局むき出しのまま玄関に置きがち。つるしておくと、気づいた時にサッと吹きかけてすぐに戻せるので便利です。靴箱の中や、玄関のデッドスペースに短めのつっぱり棒を取り付けてひっかけておくのがおすすめ。来客用のスリッパも、つるせる場所をつくっておくと、スペースを取らず、必要な時に取り出しやすく便利です」