「何を言ってもそのとおりってことです。頭悪いね。言っているじゃない。質問してもこれ以上、今日言いませんと言っているじゃない。わからない?」
自民党・安倍派の政治資金パーティー問題をめぐる谷川弥一衆院議員(長崎3区)の発言が、政治に不信感を募らせる国民の怒りに火を注いだ。
自身も4000万円超の“キックバック”を受け取った疑いがかかり、12月10日に報道陣の取材に応じた谷川議員だったが、「事実関係を慎重に調査・確認して適切に対応してまいりたい」と用意した原稿を読み上げるのみ。
それでも記者が事実を追求しつづけると、「頭悪いね」と逆ギレするかのように吐き捨てた谷川議員。カメラの向こう側で多くの国民が見ていることを知っての発言だったのだろうかーー。
自民党の安倍派「清和政策研究会」の政治資金パーティーをめぐって、複数の議員が収支報告書に記載のないキックバックを受け、その総額が5億円にものぼるとみられる問題。
岸田内閣においても松野博一官房長官、西村康稔経済産業相、さらにオリンピック・パラリンピック担当相を務めた橋本聖子氏らが、谷川議員と同様の疑いがかけられるも、それぞれに「適切に対応する」「適切な時点でしっかり説明したい」「然るべき時に説明責任果たす」などと逃げの対応に終始。
さらにパーティー問題は燃え広がり、ついには岸田文雄首相自身にも飛び火。全国紙政治部記者が解説する。
「どの派閥でもやっている」
「キックバックといえばちょっとした“謝礼”に思えますが、れっきとした“裏金”問題と言えるでしょう。岸田首相の“宏池政策研究会”でも(政治資金)収支報告書に記載されない金額があったとのことですが、たとえ安倍派と比較して額は少なかったとしても裏金は裏金。
与党関係者からは“昔からどの派閥でもやっている”と、沈静化を図る動きもあるようですが、増税で身を切られ続けている国民が納得するはずもありません」
そんな折に「増税メガネ」の面目躍如か、またもや「増税」ニュースも飛び込んできている。防衛力の抜本的強化に伴う増税、いわゆる防衛増税の財源として、政府案をまとめようとしているのが「加熱式たばこ」の増税。
紙巻きたばこよりも3割ほど低く抑えられている税負担を同等水準にすることで、約2000億円の税収増を見込むというもの。2010年代より爆発的に市場を拡大している加熱式たばこが“目をつけられた”ようだ。