被害女性に「何も思わない」

 法廷では、中西被告の前科も明らかにされた。9年前の2014年に住居侵入、強盗、強姦の罪で懲役6年の実刑判決を受けて収監。2019年に仮釈放された直後に入社したのが、現在の不動産会社だった。

 被告と2人暮らしをしていた母親は、証人として証言台に立った。

「私には示談金、賠償金を支払う余裕がありません。本人にきっちり責任をとってもらいます。出所したら、更生の支援はしていきますが……」

 と弱々しく答えたという。最後にAさんに対して何を思うかと問われた中西被告は、驚くべき発言をしていた。

「Aさんには、何も思わない。前の犯行のときは無関係の女だから何も思わなかったが、今回は同僚であってもやはり何も思わなかった」

事件はアパートの“空き物件”で起きた(写真はイメージ)
事件はアパートの“空き物件”で起きた(写真はイメージ)
【写真】満面の笑みを浮かべる中西被告、会社HPにあった“前のめり”な自己PR

 家族と、自分の前科を知りながらも雇ってくれた不動産会社に謝罪するも、Aさんに対する謝罪の言葉はひとつもなかった。そればかりか、

「夜、寝る前に、こんな犯行をすることを妄想している。相手が困るからといっても、思いとどまることはなく、またやる可能性がある」

 とも……。検察側は中西被告に懲役15年を求刑。おぞましい所業を平然と行う怪物の判決は19日に下る。