伝統校がぞくぞくと箱根路に復活
低迷からの復活。伝統校も続々と箱根に返り咲き。
「東京農業大の前田和摩選手(1年)は予選会で日本人トップでした。この強さは本物! 近いうちに学生長距離界No.1になりそうな選手です。ほかにも並木寧音選手(4年)など2、3人強い選手がいます。伝統校ですから、戦い方のノウハウもあるでしょう。10年ぶりの“大根踊り”も楽しみです」
大東文化大も楽しみな存在だという。
「一時期低迷していましたが、昨年、真名子圭監督が就任するとメキメキよくなりましたね。全日本では7位でシード権を獲得。予選会では留学生ピーター・ワンジル選手(3年)の棄権があったにもかかわらず、日本人選手だけで1位に。期待できます」
和田の母校、日本大も4年ぶりに箱根路へ。
「今年、新雅弘監督が就任しました。1年目から結果を出したのはすごいのひと言。倉敷高校を3度の全国優勝に導いていて、高校生と向き合ってきたからか、乱れた生活や規律などを立て直すのがうまい。選手のリクルートでも強豪高校とのつながりがあるので、これから強くなっていけるのでは?」
翌年の大会に出場できるシード権は、10位までに与えられる。
シード権を失いそうな大学は?
「今回は入れ替わりが激しそう。シード権を失いそうなのは順天堂大、東洋大。ゲットしそうなのは、大東文化大や帝京大あたりでは?」
また駒澤大が強ければ強いほど、下位とのタイム差は広がる。襷がつながらないチームが続出する可能性も。
「個人的には、節目の記念大会には何かが起こる気がしていて。予想だにしなかったドラマを期待しますし、みなさんには全チームのゴールを見届けてほしいです」
和田正人●日本大学陸上競技部OB。箱根駅伝で9区を2度走った経験を持つ。『NHKラジオ箱根駅伝』のゲスト解説を'24年も務める。
(取材・文/荒井早苗)