「コマーシャルに出ていると、こういう役はできません、こういう髪形はしちゃダメだという制限が出てくる。今はだいぶ緩くなったのかもしれないけれど、当時はかなり縛りがあって。アイドルのように扱われるのもすごく嫌だった。アイドル雑誌にも出ていたけれど、やりたくなかった。いろいろ不満を感じていました」
一方、バブル景気の恩恵も受けた。20代で最高月収6千万円、28歳で世田谷区の一等地に110坪、2億4千万円の豪邸を衝動買いしたとメディアで取り上げられている。
「あのころは1億円が貸せた」
「たまたまコマーシャルの振り込みが重なっただけ。月によっては0円なんてこともありましたから。メディアってなんでもオーバーにするじゃないですか」
とは言うものの、今の時代とは大きく違い、何とも夢のある話ではある。
「確かにそうかもしれません。あのころは単価が高かったですからね。今の若い子と話すとすごく不安を抱えてて、“30歳で役者を辞める”なんて言っていたりするんですよ。僕自身は20代後半まで不安は抱えていなかったし、“まだこのまま大丈夫だろう”なんて感じでいましたから」
しかし絶大だったアイドル人気も次第に陰りが訪れる。一時は10本以上あったCMもやがて消滅していった。そんな中、友人からの詐欺被害に遭い、約1億円の負債を抱えている。
「それでもあのころは1億円が貸せたんですよね(笑)。でも結局立ちいかなくなって、一時期アルバイトをしていました」
友人の紹介で中古車店のバイヤーとして働き、さらに豪邸を売却して借金を完済した。
私生活では34歳のときスタイリストの女性と結婚し、1男1女に恵まれた。しかし2009年に離婚。その後自身の個人事務所を設立し、再スタートを切っている。
「以前と違って仕事を選ばなくなりました。自分で会社をつくるとなると、この仕事は嫌だ、これはやらないとは言えなくなってくる。昔は出なかったバラエティー番組にも出演するようになりました。営業もしていなくて、いただける仕事はできるだけやろうと考え方が変わりました」
50歳のとき15歳年下のヘアメイクの女性と再婚し、1女を授かった。娘は現在8歳で、インスタグラムでたびたびツーショット写真を公開している。