そのほか、女性用の日用品などは避難所には備えていない場合もある。日常を崩さないためにも自分に合ったものを持っていくのが重要だ。
災害避難時に必要な6つの女性アイテム
以下、具体的なアイテムをリストアップした。ぜひ参考にしてほしい。
・モバイルバッテリー
コンセントなどの電源がなくてもスマートフォンを充電できるモバイルバッテリーは最マストアイテム。人と連絡をとったり、情報を得たり、さまざまな用途で使うスマホの電池切れは、あらゆる意味で致命的だ。
「災害時は停電であたりが真っ暗になることも多いです。過去には、避難場所の人目のない暗い場所で女性が性被害に遭ったという報告も。誰かと通話しながら移動したり、ライトをつけて足元や周囲を照らしたりと、スマホがあれば犯罪を抑止する効果もあります」
・ブラトップ
ブラトップ(カップ付きインナー)はキャミソール型ではなく、タンクトップ型やTシャツ型など、1枚だけで着られるデザインのものがおすすめ。
「パジャマのままで避難し、翌朝になってからブラをつけていないことに気づいて真っ青に。人の目が気になって自由に歩き回れず、避難所の手伝いすらできなかった……という経験を持つ人も。ブラトップが1枚入っていれば、ブラ代わりにも着替えにも使えて便利です。しかも、パッと見で下着だとわかりにくいこともポイント。要らぬトラブルを避けることができます」
・身体を清潔に保つグッズ
ボディシート、化粧落としシートなど、水やお湯が自由に使えない状況でも身体を清潔に保つためのアイテムを。不潔な状態は不快なだけでなく、思わぬ病気を招く原因にもなりかねない。
「忘れがちなのが歯磨きグッズ。歯磨きには呼吸器系の感染症を予防する効果もあり、重要です。また、髪が長めの人はヘアゴムが1本あると髪を結ぶだけで汗をかきにくくなるし、動きやすいのでおすすめ」
・使い慣れたスキンケア用品
化粧水、乳液など、これこそ防災セットには入っていないので、できるだけ使い慣れたものを用意しておこう。たとえ1泊だけの避難でも、肌に合わないものを使って肌がボロボロに……は悲しすぎる。
「おすすめは、手足だけでなく顔にも使えるワセリンなど。大人も子どもも使える保湿クリームも重宝します」
・中身が見えない黒いポリ袋
汚れ物を入れたり、下着の目隠しをしたり。大勢の人が出入りする避難所で、プライバシーを守るために大活躍。
「災害時の避難所は、とにかくセキュリティーが甘くなりがち。女性の場合、下着の存在がまわりからわかるだけで危険につながるので、注意するに越したことはありません」
・生理用ナプキン
普段と異なる環境、ストレスによって、突然生理になってしまうこともあるため、生理用品は必須アイテム。ちなみに、タンポンや月経カップではなく、生理用ナプキンがおすすめ。傷の止血に使えたり、下着を交換できない場合に重宝するためだ。さらに携帯用ビデやデリケートゾーン用シートなどがあれば、より不快を解消できる。
「避難所のストック不足や、におい問題といった、避難先での生理にまつわるトラブルはよく聞きますが、自分に合った備えをしておけば安心です。生理痛がひどい人は鎮痛剤も忘れずに」
取材・文/大野瑞紀、 八坂佳子
冨川万美さん NPO法人MAMA-PLUGの理事・アクティブ防災事業代表。東日本大震災の母子支援を機に、子連れや家族の防災を啓発するためにMAMA-PLUG設立に携わる。