判別する方法は?
こうした情報は、誰がどんな目的で流すのだろうか?
「故意犯、確信犯、愉快犯の3つに分けることができます。故意犯というのは、それが誤っていると知りながら拡散する事例。投稿の閲覧数に応じたお金を稼ぐことなどが目的です。
次が確信犯。その情報が正しいと信じている人たちです。例えば、冒頭の人工地震の情報がそれに当たりますね。世の中に知られていない“事実”を広めなくてはいけない、という正義感に駆られているわけです。そして愉快犯は人がだまされているのを見て楽しみたい、注目を集めたいという動機になります」
インターネットが普及し、誰でも簡単に情報を発信できるようになった現在。正否が入り交じった情報を、どのように判別すればいいのだろう。
「大切なことは、メディアの特性を理解し、信頼できる情報を見分けること。メディアリテラシーという能力です。私たちのサイトでも『リテラシー講座』として連載をしているのですが、メディアを活用する能力のことで、流れている情報を鵜呑みにするのではなく、吟味する思考を持ちましょうと。
例えば、志賀原発から1万9800リットルの油が海に流れた、というニュースがありましたが、志賀原発のサイトを見ると、確かに油は漏れ出しているが、海面に漏れたのは6・1リットルだと確認されたと出ているんです。
ニュースの根拠になっているものはどこなのか? まず入ってきた情報を疑って、正否を見極めるようにすることですね」
流れてきた情報を焦って拡散するのではなく、疑うことから始めることが“フェイクニュース”の撲滅につながるのだ。