映画化までされたあの名作ドラマが1位に

 2位は意外な作品が飛び込んできた。松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平の4人がアマチュア演奏家を演じた坂元裕二脚本のヒューマンサスペンス『カルテット』('17年 TBS系)だ。

「のっぴきならない秘密を持った登場人物たちの会話劇と弦楽四重奏の美しい音楽とのアンバランスさにどっぷりつかりました」(タワーレコード広島店・平本さん)、

音楽というよりはミステリーの要素が強かった印象ですが、演奏シーンも丁寧でよく工夫されていたと思います」(タワーレコード広報部・寺浦黎さん)など、コミカルでおしゃれな会話を彩る弦楽四重奏という大人の世界観に魅了された人が多かったようだ。

「坂元裕二さんの作品は会話劇に目がいきがちで、今でも『唐揚げにレモンかけるか論争』を覚えている方は多いと思いますが、いわれてみれば音楽家たちの物語。

 劇中音楽も楽器を手にした4人のたたずまいも素敵でした。椎名林檎さんが書き下ろした主題歌『おとなの掟』もこの4人が歌っていて、カッコよかったです」(カトリーヌさん)

 そして2位とは倍以上の得票数で断トツの1位に輝いたのは『のだめカンタービレ』('06年 フジテレビ系)

『のだめカンタービレ』のメインキャスト、玉木宏と上野樹里
『のだめカンタービレ』のメインキャスト、玉木宏と上野樹里

ドラマの影響で吹奏楽部に入り、大学まで音楽を続けることに。劇中に登場する楽曲がどれも印象的で、いつかこの曲を演奏したいという目標にもなっていました」(山野楽器営業推進部・女性)、

「堅苦しいイメージがあるクラシックのハードルを下げて、老若男女幅広い層に親しみやすい形でドラマ化していた」(タワーレコード新宿店・熊谷祥さん)と、この作品でクラシック音楽の魅力に気づき、ハマった人たちも多かったようだ。

「コメディーのイメージが強いですが、実は数ある音楽ドラマの中でも最も音楽と向き合っていた作品で、それぞれの楽曲の背景まできちんと触れられているんですよね。

 一方でラブストーリーとしても素晴らしく、のだめ(上野樹里)と千秋先輩(玉木宏)がトラウマを克服していく人間ドラマでもあるという、三拍子も四拍子もそろった作品。

 漫画的表現もうまく取り入れており、これほど幸福な実写化作品はないですよね」とカトリーヌさんも絶賛だ。