定番の具材だけでなく新しい令和の味も開発

「お米とおかずを一緒にべてもらう感覚なので、どれも具だくさんなんです。それに種類が多いと、毎日べても飽きないでしょ(笑)」

 実は『ぼんご』は、由美子さんの夫が、誰にでも愛される店をやりたいと昭和35年に始めたもの。そこにお客として通っていた由美子さんが嫁ぐ。そのころすでに具が20種類ぐらいあり、生たらこや納豆入りは、まだ珍しかった。

 今では具の種類が58種類。そのほとんどが、お客さんとの会話の中でリクエストによって生まれていった。

「お客さんの意見はとても参考になりますよ。だからお客さんと話ができるように、カウンターしかないんです」 

 さまざまな人の意見を聞いて、完成までに1年半ほどかかったレシピもある。

「この店は、大塚という下町の人付き合いと、そこにやって来るお客さんがあってこそ。私は料理人でもなかったから本当に助けられたのよ。この大塚という町でやっているから、繁盛させてもらえてると思いますよ」

 メニューには「卵黄×肉そぼろ」「豚キムチ×納豆」など具を組み合わせたものも。

「お客さんも『今日はこの具の組み合わせを試してみよう』と、新鮮な味わいを楽しんでくれますね。お店を続けるのは大変ですが、わざわざ大塚に来て、並んでくれたお客さんがおにぎりをおいしそうに頬張る顔が、私の毎日の力になっています」

究極のおにぎりを作る3大ポイント

1)2時間米を浸水させる

 米をといだら、水を入れた釜で2時間浸水させ、家庭用炊飯器なら早炊きモードで炊く。パラッと炊いたほうがおいしい

2)炊けたら蒸気を飛ばす

 炊けたご飯の蒸気が見えなくなるまで、上下にひっくり返しながらよく切る。それによって米がコーティングされる

3)ご飯を「握らない」

 握らないというのは、米をつぶさないということ。のりで包むことでべやすくなる

究極のおにぎりを作る3大ポイント
究極のおにぎりを作る3大ポイント