「自分でも呪術を使えたらいいなと思いますよね」
平安時代に実在した最高の呪術師・安倍晴明(あべのせいめい・山崎賢人)が陰陽師(おんみょうじ)となる前の知られざる学生時代を完全オリジナルストーリーで描く映画『陰陽師0(ゼロ)』。
この作品で、帝(みかど)と呼ばれる村上天皇を演じているのが板垣李光人。焦がれていた呪術、陰陽師の世界に飛び込んだ。
「野村萬斎さんが安倍晴明を演じられた映画『陰陽師』や、最近だとアニメの『呪術廻戦』を見て呪術というものにすごく興味がありました」
そう語る板垣に今作では呪術を使えなくて残念ですねと、伝えると、
「たしかに、帝は呪術を使えませんが、帝として陰陽頭役の小林薫さんや陰陽博士役の國村隼さんという先輩方の上に立つということは、なかなか経験できないこと。
そういった意味で、面白い役でしたね。絶対的な権力者ゆえの孤独を抱えている帝には人間としても魅力を感じました」
「プレーボーイ」の帝に
多くの女御に囲まれるプレーボーイの帝を演じる板垣の姿は新鮮だ。
「僕も意外でした。現場に行ったときにちょっと笑っちゃいましたもん。こんなに女性がいるんだって(笑)
映画の冒頭で平安京の説明が入るのですが、そこでも“帝を頂点に”とナレーションが入ったり、僕がいない場所でも“帝”という言葉を聞くことがあると、なんだか気分がよかったです(笑)」
映画で板垣が演じる帝は、余裕のある表情を浮かべながら、相手の表情や行動をじっくり観察する。
「御簾(みす)の内側にいる人なので、その空気感を出せたらいいなと思い、所作やまばたきを0.75倍くらいのイメージでゆっくり動かすようにしました。衣装も重量のある豪華なものだったので、着付けから全部作り込むのに1時間半くらいはかかったと思います。
その姿で、少し高くなっている御座に座ったら、もう動けない。なので、共演者の方々とお話しする機会がほぼなくて。ひたすらひとりで御座の上にいました」