「事件」を求める番組作り

 また、動物保護団体『PEACE』の東さちこ代表も映像を見て以下のように感じたという。

 「ドッグラン内の離れた場所だから大丈夫だろうと思ったのかもしれませんが、シェルター内でも先住のほうから吠えに行っていましたし、同時に外に出さない配慮をするべきだったかと思います。おそらく無理な頭数を抱えないようにしているだろうと感じますし、できないことではなかったはずです。先住のほうにトレーナーを付けたほうがいいと感じましたが、トレーナーはいないのでしょうか……。

 視聴者は、飼い主に飼育放棄された穏やかな性格のが心乱されることなく生活していってほしいと願っていたところにこのシーンだったので、ショックは大きかったと思います。なぜ放送したのかな? と思いましたが、“バトル勃発!”のような煽りが使われていたので、やはりテレビはネタにできる事件が起きないとダメなのかなと、正直、感じてしまいました

『坂上どうぶつ王国』の公式SNSには放送中から非難の声が多数上がっている(番組公式『X』より)
『坂上どうぶつ王国』の公式SNSには放送中から非難の声が多数上がっている(番組公式『X』より)
【写真】「動物虐待」と番組が炎上…愛犬を散歩中、直撃に応じる坂上忍

 素人目にも散歩の時点で「ヤバい」ことが伝わる映像。世話をしているスタッフならなおのことのはず……。

は、群れ社会の動物なので、どうしても縦の関係に優位に立ちたいと思っています。『さかがみ家』ののボスは誰なのかわかりませんが、先住のギン太郎くんは、レオくんより優位に立ちたいので襲いかかったのです」(前出・石井院長、以下同)

 今後はどう対応すべきか。

「レオくんは、高齢の飼い主と穏やかに暮らしていたようなので、の群れ社会で暮らすのは、あまり向いていないように思います。『さかがみ家』の力で、シニアの柴でも飼ってくれる人を探すことがレオくんにとって一番いいのではと思いました。なかなか里親を見つけることができない場合は、1匹で好きにさせてあげるのがいいように思います。たくさんのと仲良くすることが理想ですが、シニアの柴であることや、今まで飼われていた経歴を考えるとそれがよいのではないでしょうか」