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ー 「私、漢方薬との付き合いは長いんです」
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ー 体調を崩した30代、東洋医学に望むこと

 ラーメンを食べるのは年に2回だけ、ピラティスとウエートトレーニングは週1回、加えてヨガも取り入れて、口にする炭水化物は酵素玄米を少々、さらに健康サプリを愛飲……と、日々ストイックに健康維持に努めている冨永愛さん。

 その成果は、ご承知のとおり。40代に入ってからもトップモデルとして活躍を続けているだけでなく、女優としては『大奥』で徳川吉宗役を堂々と演じ、最近では、各種アンバサダーやSDGsの旗振り役としても引っ張りだこに。輝きは一向に衰えず、いつでも自信とエネルギーに満ちあふれているように見える。

「私、漢方薬との付き合いは長いんです」

 しかし、そんな彼女にも、若いころから抱えてきた、あるお悩みがあった。それが、多くの女性にとっても悩みの種である“身体の冷え”だ。

私たちモデルの仕事って、例えば真冬に夏ものの服を着て、写真を撮られなくちゃいけない。撮影現場の環境もまちまちで、温度調節が自由にできない。だから、身体の冷えには昔からけっこう悩まされてきましたね。手足の冷えもそうだし、それほど自覚がなくても身体の中心が冷えると免疫が下がるともいいますしね。だから、冷えは大敵なんですよ。モデルは何より自分の身体が資本。絶対、体調は崩せないので」(冨永さん、以下同)

 そんなあるとき、仕事仲間から紹介されたのが葛根湯だったという。

あのとき、まだ20代だったんじゃないかな。だから、私、こう見えて漢方薬との付き合いは長いんです(笑)

 17歳でデビューして以来、ニューヨーク、ミラノ、パリなど世界のランウェイを華々しく飾ってきた冨永さんを支えていたのが漢方だったというのは、ちょっと意外な事実かもしれない。

葛根湯って、風邪のひき始めのときに飲むものというイメージだったんですけど、身体を温めるのにもいいし、実は首や肩のこりにも効くんですよね。だから、私にはおなじみの漢方薬です。私、首や肩のこりも、すっかり慢性化してしまっているので(苦笑)

 と、冨永さん。以来、自身で市販のものを買ったり、病院で処方してもらったり、漢方薬とは「いいお付き合いをさせていただいている」そうだ。

「漢方って、西洋医学が薬や手術で悪いところに直接作用するのに対して、自己免疫力を上げながら、根本的な体質改善をしていくものですよね。だから、私の好みにすごく合っているんです。セルフケアによって、免疫力、つまりエネルギーの底上げをするということなので」

 さらに話を聞いてみると、お灸も体験済みだという。

「夜、足が冷えて眠れないほどではないんですけど、やっぱりお灸をすると気持ちが落ち着くし、リラックスしてよく眠れる気がしますね」(冨永愛さん)
「夜、足が冷えて眠れないほどではないんですけど、やっぱりお灸をすると気持ちが落ち着くし、リラックスしてよく眠れる気がしますね」(冨永愛さん)

「薬局でも売っているシールで貼るタイプのお灸ですけど、足の裏にあるツボの裏内庭、湧泉、失眠の3つに、ときどきするんです。いろいろ効用はあるみたいなんですけど、私の場合は、寝る前にリラックスするのが主な目的だったりします」

 基本的にお灸はずっと自己流で楽しんできたという冨永さんだが、ナビゲーター役として出演するテレビ番組『NHKスペシャル 東洋医学を“科学”する』の中で専門家に話を聞く機会があり、驚いたことがあったとか。

「お灸って、あまり熱くなくてもいいそうですね。無理して我慢する必要はないんですって。私は熱いのがどちらかというと好きなんですけど(笑)、じんわり、あったかいな〜って感じるくらいで、十分効果があるらしいです」