「モンスター級」だった女性議員

 タレント出身者に限らず、女性は人生のなかで恋愛や育児が占める比重が大きくなることもあり、仕事一本に集中しづらい。SPEEDの解散理由も、4人が全員、恋に走ったことだとされる。

 島袋寛子と旧ジャニーズJr.との半同棲が大きく取り上げられたが、最初に出たのは当時高1で中学時代からの同級生と交際していた今井についての報道。そんな恋多き女ぶりは、ミュージシャンとのデキ婚(3年後に離婚)や前出の不倫騒動でも発揮されるわけだ。

 それでも、政界に転じる女性タレントが後を絶たないのは、芸能界よりちやほやされる期間が長いからでもある。もっぱら中高年の男性が牛耳る世界なので、アラフォー・アラフィフでも十分モテる。選挙に行くのも若者より中高年層のほうが積極的だから、得票にもつながり、いわばウィンウィンの関係だ。

 そのあたりが、元アイドル、元グラドル、元女子アナが重宝され、キャスターから都知事にまで上り詰めた小池百合子のような人が出現するゆえんといえる。ただ、今井に政治への志がないわけではないだろう。最近は国会で文部科学委員会の筆頭理事を任され、野党との調整業務にあたっていた。が、経験が浅く、スキャンダルという弱みも持つ彼女に野党の対応が厳しかったのは想像に難くない。

 3月18日には、得意の手話つきで国会質問を始めたものの、途中で手話なしに切り替えたため「中途半端なパフォーマンス」だとしてかえって批判されることに。なお、SNSには不倫やらフランス旅行やらの件で「議員やめろ」的なコメント攻撃も根強く続いていたという。

 もちろん、政治家はある意味、嫌われてナンボの仕事だが、心労もかなりたまっていたのではないか。

 こうして見ると、梨園の妻や母親業もやりながら議長や大臣、党首も務めた扇千景などはモンスター級だ。今井にもせめて、三原じゅん子くらいにはなってほしいものだが─。

ほうせん・かおる アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。