実家を訪ねてみると、かつて一家が暮らしたアパートはなく、新しい家を建てるための基礎工事が進んでいた。
「1年以上前にアパートは取り壊されて更地になり、数か月前から工事が始まりました。最後まで入居していたのが容疑者の父親。どこへ転居したかは聞いていません」(近所の女性)
複数の近隣住民によると、容疑者は前回逮捕で刑に服した後、実家には戻ってこなかったという。
父親は「愛のムチ」
前回の逮捕当時、『週刊女性』が父親に容疑者の更生について尋ねると、
「(罪を償って出所しても)家には入れないよ。愛のムチをふるう。いまでも“かわいい”と思っているから」
とあえて敷居をまたがせない覚悟を述べていた。
どうやら、ムチの効果はなかったか。
前回の逮捕当時、容疑者の知人や同級生、地元住民らに話を聞いたところ、少年時代の生育環境について同情する声が大きく、歪んだ人格形成の一因との指摘があった。
まず、家族でレジャーや外食に出かけることはなく、「両親とも子どもには関心がない様子で“放置子”だった」(周辺住民)という。常識が身につかず、自宅にトイレがあるのに庭先で用を足した。イタズラを注意されると素直に謝れず、隠れてから「バカバカ、バーカ」と言い返した。
寂しそうにしているのを見かねた男性が孫とのキャッチボールに加わらないかと誘えば、ほとんど断らない。同じ年頃の少年が母親とレストランに行くうしろをついて歩き、誘われるまま一緒に食べることも。「あの子はかまってほしくてたまらないから、大人になってもこんなことをしているんだろう」(少年時代を知る女性)との声もあった。
小・中学校の同級生によると、いじめられっ子で逃げ足だけは速く、女子にはモテずバレンタインデーのチョコレートはゼロ。成人後は、地元の駅頭でキャバクラの呼び込みをしたほか、桶川市在住時は金属加工会社に勤めたり、工場で働いた。現在は無職だ。
どれほど過去に同情すべき点があろうと危険行為の免罪符にはならない。