「日本一のイカ刺し」

6:高知のカツオ藁焼き塩タタキ

 高知県帯屋町のひろめ市場は、高知の食を1か所で楽しめる観光名所。そのひろめ市場に、平田さんが“マグロなど敵ではない”と呼ぶ最高のカツオを出す店がある。

『やいろ亭』のカツオの藁(わら)焼き塩タタキは絶品。そこやないとダメなんです」

 カツオの藁焼き塩タタキは、分厚いカツオに塩味のパンチとにんにくの刺激が合体し、ビールがどんどん進む味わい。あおさの天ぷら、地酒の酔鯨なども一緒にオーダーすれば、平田さんの言う“人を必ず幸せにする三種の神器”が出そろう。

ひろめ市場の中の店舗。1人前5切れで1300円。写真は2人前
ひろめ市場の中の店舗。1人前5切れで1300円。写真は2人前
【写真】平田さんの大親友・宮根誠司もお気に入り『たなか』の柿の葉寿司

7:呼子の剣先イカ

「身が透き通って本当にきれい、日本一のイカ刺しです」

 芸術品のような活け造りは、歯ごたえや甘みが最高。佐賀県は日本有数の棚田を有する。玄界灘に面した斜面の棚田に映し出される季節ごとの景観は、言葉を失うほどの美しさだ。

 なかでも浜野浦の棚田は「死んでも行くべき日本の絶景」に平田さんが選んだ場所。

「海から花火を上げ棚田に鏡のように映し出すのも素晴らしい。佐賀県は、長崎や福岡に比べて宣伝というかアピールが下手で控えめな県。もっと注目されてほしい」 

 剣先イカの旬は春から秋。季節が変わる前に行くべし!

ストレスに弱い活イカは遠くに行くほど鮮度が落ちる。地元なら透明
ストレスに弱い活イカは遠くに行くほど鮮度が落ちる。地元なら透明

8:奈良 柿の葉寿司

「柿の葉寿司いうたら有名店は多いけど、僕が推すのは『たなか』。奈良南部の五條という町が発祥ですわ」

 柿の葉寿司は物流や冷蔵手段がない時代に、海の側から山里に海鮮の味を届けた古来の知恵の結晶。寿司飯の上に塩で締めた魚をのせ、重しで余分な空気をぬいてから抗菌作用のある柿の葉に包む。

「新幹線の車中でも箸がいらず便利ですやろ。鮭や穴子などいろいろあるけど、僕はサバだけあればええねん

 平田さんの大親友・宮根誠司アナも柿の葉寿司は『たなか』派でサバ派。

「いつもお土産にしてます」

サバのうまみ、柿の葉の香り。もとは夏祭りのごちそうだった柿の葉寿司
サバのうまみ、柿の葉の香り。もとは夏祭りのごちそうだった柿の葉寿司