目次
Page 1
ー 岡田美里、3度目の結婚
Page 2
ー 運命の出会い ー “カリスマ主婦”と呼ばれて
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ー 実業家として腕を振るうが……
Page 4
ー 23年ぶりの再会、そして ー 事業は成功、3年間で23店舗に発展
Page 5
ー 母親の介護のため山梨へ移住 ー コロナで変わった結婚観
Page 6
ー 芸能界の友人たちも惹かれる人柄

 

「ママ、結婚しようと思うの」

 2人の娘とそれぞれの夫の前で、岡田美里は早口でそう告げた。この報告をするには、みんながそろった今しかないと思ったのだ。

岡田美里、3度目の結婚

タレント、実業家・岡田美里(撮影/佐藤靖彦)
タレント、実業家・岡田美里(撮影/佐藤靖彦)

「え? ホントに? あー、よかったぁ!」娘たちも早口で同じ言葉を口にした。

「また別れると言い出すのかと思ってた。おめでとう! ママがいちばん新婚さんだね」

 娘たちもその夫たちも祝福してくれた。そして2022年5月14日、美里は3度目の結婚をしたのだった。

 岡田美里。1961年8月24日、東京都港区に生まれる。父は、ハーフタレントの草分けとして活躍したE・H・エリックさん。『ザ・ビートルズ』の日本武道館での来日公演での司会をはじめ、海外タレントの来日公演に多く携わった。

 また劇場公演やナイトクラブでの司会、映画、番組、コマーシャル出演などで成功を収めた。エリックの弟、つまり美里にとっての叔父は、美男俳優として人気を集めた岡田眞澄さんである。

 そんな家庭環境にあって、高校在学中から美里はモデル活動をスタート、“お嬢様学校”として知られる、聖心女子大に入学してからは、雑誌『POPEYE』のモデルとなった。有名人の娘ということで、学内で違和感はあったのか。

「そんなに特別扱いされるようなことはなかったですよ。みんなおっとりしてたから。当時の私は、大学に入ってから仲良しになった男の子2人といつも一緒でした」

 美里と2人の男子学生。まるでドラマか映画のようなシチュエーションである。1人は美里の彼氏、もう1人のA君はすごい美男子なのに彼女はいなかった。

 なかなか彼女のできないA君に、美里は「とっておきの彼女候補」を何人も紹介していた。ところが、彼は誰とも付き合おうとしない。

「ねえ、あなたはいったいどんな娘が好きなの?」

 たまたま2人きりのときに美里は彼に聞いてみた。

「……実は美里ちゃんが好きなんだ」

「えー?」

 でも自分には彼氏がいる。律義な美里は彼氏を裏切ることなんてできない。言葉を濁し、なかったことにするしかなかった。そして、卒業の時期がやってくる。大学時代付き合っていた彼氏とは、いつしか別れてしまった。

 みんなが大学を卒業し、さまざまな企業に就職する中、美里はテレビの道を選んだ。

「大学卒業後、すぐにロサンゼルス五輪のキャスターに抜擢されて芸能界デビューしました。その後、'87年に『マンデーF1ワールド』というフジテレビの深夜帯の番組で、初代ピットレポーターを務めさせていただきました」

 その後も、さまざまな番組に呼ばれるようになり、徳光和夫の番組でのアシスタントなど売れっ子になる。しかし、一方でこんな悩みもあった。

「駆け出しで無名だったから、スタイリストなんてつけてくれない。どこも衣装を貸してくれなくて困ってました。そんなとき、たまたま表参道を歩いていたら大学時代に告白されたA君とばったり出会ったんですよ」