楽器の音しか聞こえなかった

 サッカーは、両チームのゴール裏をサポーターが先導して、太鼓や手拍子で応援するケースが多い。その声量は、スタジアムの外からでも聞き取れるほどの大きさ。しかし、今回は楽器の音しか聞こえなかったという。

「本来なら自由席であるはずのゴール裏が、当初は指定席での販売だったのです。自由席でないと、団体での先導応援は難しい。そこで今回、ヴェルディの応援団は、先導応援をしないことにしました」

 後に、このゴール裏の1階席は自由席に変更されたが、時すでに遅し。一度、しないと決めた先導応援が復活することはなかった。

「事実上の応援なしの試合は、選手にとってもサポーターにとっても苦い思い出になりました。だからといって、なぜブラスバンドによる生演奏を手配したのか……」

 今回の試合を企画したソシエダのスポンサーである『ヤスダグループ』に、ブラスバンドを手配した意図を問い合わせたが、期日までに返答はなかった。

 貴重な国際親善試合だったが、今後の応援の仕方にも課題が残ったようだ。