ギリシャと皇室の関わり
一方、同国の風土や文化について、世界の王室事情に詳しい関東学院大学の君塚直隆教授に話を聞いてみた。
「青く美しい海や白い建物、オリーブやワインなどが有名で、観光地として人気が高く世界中から観光客が訪れます。さらに、ギリシャの文明は“ヨーロッパ文明の源流”ともいわれているのです。そうした背景もあり、ギリシャ国民は自国の遺跡や歴史に誇りを持っている方が多い印象です」
ギリシャと皇室の関わりについて、君塚教授が続ける。
「日本とギリシャの国交は1899年の修好通商航海条約の締結から始まりましたが、実は両国は縁が薄いのです。今回のご訪問をきっかけに、例えば佳子さまが『日本ギリシャ協会』という団体の名誉総裁になられたり、一層交流を深めることができたらと思います」
一方、前出の皇室ジャーナリストは、ギリシャ初の女性大統領であるサケラロプル大統領を表敬訪問した“重要性”を指摘する。
「ギリシャは政界に女性が少なく、『欧州ジェンダー平等研究所』が発表する、経済・教育・政治参加などにおける男女間の不均衡を表す『ジェンダー・ギャップ指数』では、ヨーロッパ28か国中で25位。そんな中、'20年に初の女性大統領で元裁判官のサケラロプル氏が就任したのは、ギリシャが“ジェンダー平等を推し進めるため”といわれています。かねて佳子さまも、男女格差についてたびたび公の場で発言されています。今回の面会時も、サケラロプル氏とジェンダー問題に関する話題があがった可能性は十分あるでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト、以下同)
例えば昨秋、『ガールズメッセ2023』でスピーチを行われた際に佳子さまは、
「今後、ジェンダー平等が達成されて、誰もが安心して暮らせる社会になることを、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを、これらが当たり前の社会になることを心から願っております」
と述べられたり、昨年9月の『女子大生誕生110周年』を記念する式典でも、理系を専攻する女性が少ない現状に言及されている。