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ー 「長く続けられたのは女房のおかげ」

 YouTube『鉄人の台所』ではさまざまな家庭料理を披露し、チャンネル登録者数は19万人に上ります。

 自身が経営する日本料理店「ろくさん亭」は連日満席で、時には自身が厨房に立つ特別な食事会を開催したり、調理器具を開発したり、介護食のメニューを考えたり……。仕事への意欲はまだまだあふれ出ているようです。

 その源はなんでしょう。道場六三郎さんにうかがいました。

「長く続けられたのは女房のおかげ」

 1月で93歳になりました。

 特に今年は「生誕祭」として、僕の店「ろくさん亭」で食事会イベントをやったんですよ、「ろくさんの人生を食べ尽くすコース料理」と銘打って。

 振り返ると、長い間料理人をしてきたもんです。18歳で知り合いの魚屋さんで初めて包丁を握ってから、金沢時代、赤坂等での修行時代、40歳で銀座で「ろくさん亭」をはじめて、テレビの仕事ーー中でもフジテレビの「料理の鉄人」は思い出深いねえ。89歳で始めたのはYouTubeの仕事、ほかにも商品開発とか学校での指導とか。いろいろやってきました。

 長い間こんなに続けてこられたのは、第一は、女房のおかげですね。ありがとう(天に向かって)。

 そして、今回のテーマは「仕事術」ということで、仕事で大切にしていることを整理してみました。あらためて考えたけれど、僕は若い時からあんまり変わってないね。大事なことをずーっと信じてやってきただけ。

 でも、この年齢になったからこそ気づいたこと、わかったこともある。それを踏まえて、仕事術をお話ししましょう。