目次
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ー 生活保護受給者の半数は高齢者!?
Page 2
ー 50代のお金の使い方で老後の人生が決まる
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ー 老後ビンボーになる人がやりがちなこと
Page 4
ー 気をつけるべき「カモ期」
Page 5
ー 子ども世代に迷惑をかけたら「本末転倒」

お金の管理は夫任せで貯金額を気にしたことはなかったのですが、年齢を重ねてからテレビや雑誌の『老後貧乏』という言葉が気になりだして……。

 不安で夫に相談したら『問題ない』って言うんですけど、通帳を盗み見たら300万円しかないじゃないですか!夫婦2人とも50代で貯金なんて無理に決まってます」(Aさん・50代女性)

生活保護受給者の半数は高齢者!?

 老後2000万円問題や老後貧乏、老後破綻……など、今後の人生に対して不安を煽(あお)るような言葉がメディアをにぎわせて久しい。年齢とともに待ったなしで迫る問題だけに、Aさんのように将来への漠然とした不安を抱えている人も多いのではないか。

高齢者生活保護受給者が増加傾向なのは事実」と話すのは、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さん。

 厚生労働省によると、生活保護の受給世帯全体の55.6%は高齢者であり、過去20年間でなんと2.25倍に増加。そして、受給世帯のうちの9割は単身世帯だ。

 ここで特に問題になっているのは、独身者や夫との死別を含めた高齢の単身女性の貧困化。以前の女性は結婚をしたら家庭を守るのが一般的だった世代では、お金に関しては夫である男性に依存し、資産管理などを夫任せにしているケースも多い。

 夫との死別や離婚により、年金額が激減し、苦しい生活を送ることになるのだ。今年1月に発表された国民生活基礎調査をもとにした調査では、65歳以上の1人暮らしの女性の貧困率は44.1%だった。

「高齢の単身女性は、『基礎年金』のみを受給していることが多いのですが、その月額は令和6年度で6万8000円(満額)。物価高のなか1人あたりの生活コストも高いため、貯金を取り崩さないと生活費を賄うのは困難です」(山中さん、以下同)

 もちろん、老後の生活で困窮する人の理由はさまざまだ。中でも自分が「老後貧乏」になると想像もしなかった人は悲惨だ。

「実際、『老後貧乏』に陥ったケースには、長生きするとは思わずにお金のことなどを考えてこなかった、夫や自身が早期リタイアをしていた、退職後に豪華旅行をしてしまったなどの背景が多いんです。

 逆に、どんな人もきちんと将来のライフプランや公的な制度や仕組みについて考えれば、自分らしく楽しい老後を送れると考えています」