2.あきらめない気持ちを持つ
2015年2月、66歳でステージ4の胆のうがんを患った石川利広さん(75)は、余命1年の診断を受け頭が真っ白に。そのあと『メッセンジャー』の講演に参加し、がん生還者の体験を聞くことで生きる希望を見いだした。
「最期はホスピスで迎えたいと終活までしていた石川さんは、自らの意志で抗がん剤治療を3回で中止。しかし患者の実体験を聞き、がんは治るという意識が芽生える。それからは死ぬことより生きることに焦点を合わせるように。
美容師の石川さんは余命期日と同時期にある娘の成人式で髪を結うことと、ホノルルマラソン出場を目指したんです」
はじめはマラソンなんてとんでもないと思っていた石川さんだが、がんサバイバーでマラソンに参加した人から“走ったから元気になった”という言葉に意識が変わる。
「健康にいいといわれるさまざまなことに取り組みました。糖質や油、動物性タンパク質や添加物を控えた玄米菜食、無農薬のサラダやスムージーをとり、還元塩と玄米、米ぬかで作ったぬか袋カイロで腸を温めたり……。そしてマラソンのためにトレーニングを続けたそうです」
家族の支えもあり2015年12月にマラソンを無事完走。翌月には成人式で娘の髪を結い、余命期日を生き抜く。それどころかその年の6月にはがん細胞は消滅し、8年が経過。あきらめずよりよく生きるという可能性を認めたことから、石川さんの命は続いていったという。