7.治療後の自分の姿をイメージする

 杉浦さんは自身の治療中、入院していたときを振り返る。

「大学時代に走ったホノルルマラソンにもう一度挑戦したいという夢ができました。消灯後の病室でマラソン大会を走る自分を臨場感たっぷりにイメージし、翌日には教会で結婚式を挙げる夢まで追加して。未来なんてないという思い込みから“がん患者でも夢を叶えていい”というマインドセットに書き換えました」

 するとそのイメージは、治療から9年後に実現する。

「マラソンのゴール地点で現在の妻と抱き合い、翌日ホノルルの教会で結婚式を挙げました」

杉浦貴之さん●1971年生まれ。主にがん体験者の思いを綴るマガジン『メッセンジャー』編集長、シンガー・ソングライター。1999年、28歳のときに腎臓の希少がんに罹患。がんサバイバーホノルルマラソンツアー主宰。
杉浦貴之さん●1971年生まれ。主にがん体験者の思いを綴るマガジン『メッセンジャー』編集長、シンガー・ソングライター。1999年、28歳のときに腎臓の希少がんに罹患。がんサバイバーホノルルマラソンツアー主宰。
【写真】奇跡の回復!「がんサバイバーマラソン」に笑顔の参加者たち

教えてくれたのは……杉浦貴之さん●1971年生まれ。主にがん体験者の思いを綴るマガジン『メッセンジャー』編集長、シンガー・ソングライター。1999年、28歳のときに腎臓の希少がんに罹患。がんサバイバーホノルルマラソンツアー主宰。著書には『がんステージ4克服「転移」「再発」「余命告知」からの回復記録』(ユサブル)などがある。

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取材・文/植田沙羅