大谷がメジャーで確固たる地位を築いた要因である二刀流。それを封印していることも、大谷に対しての評価が割れる要因になっているとスポーツライターの小林信也さんは分析する。

「DHだから評価されていないということはないです。大谷選手は二刀流で人気を得た選手。ファンは野球少年のように打って走って投げて、という大谷選手の姿を見たいのであって、守備をしていない現在は、物足りなさを感じるのだと思います。また、ソロホームランが多かったり、チャンスであまり打てていないことが少し印象を悪くしているのかもしれません」

アメリカでも“大谷ハラスメント”

 本来の大谷の姿ではないにしても、環境の変化がありながらの活躍には目を見張るものがあるという。

結婚もあり、元通訳のスキャンダルもあり、リハビリ中で、リーグも変わるという状況で想像をはるかに超える結果を残しています。ドジャースの主力選手にもケガ人が出ている中、大谷選手は大きなケガもここまでしていないので、その部分も含めて運もありますが、努力もしているのだと思います」(小林さん)

 “DH論争”もさることながら、注目されるがゆえに起こっている争いも……。

「日本では連日、大谷選手の活躍が報じられていますが、アメリカでも取り上げられることが多いんです。そのため、一部のファンからは“オオタニの話は聞き飽きた”という声が上がっているそう。それに対して、アメリカのスポーツ専門メディア『The Athletic』の記者であるケン・ローゼンタール氏“われわれがいままで見てきた選手の中で一番の選手。取り上げるべき存在”と反論。アメリカでも報道を巡って論争が起こっているようですね」(前出・スポーツ紙記者)

 “大谷ハラスメント”という言葉も日本ではささやかれているが、野球だけでなくスポーツの歴史を塗り替え続けていく人物であることは間違いない。

「スポーツ史上最高額の10年7億ドル(契約合意時のレートで約1015億円)で契約したり、愛犬がいきなり登場したり、結婚を発表したり、水原元通訳のスキャンダルがあったりとニュースを独占するような出来事が定期的に起こることも理由でしょう。過去3年間、メジャーリーグは大谷選手を中心に回っていたと言っても過言ではありません。誰も実現できなかったことを達成しながら、連日活躍していれば、ニュースになるのは当然です」(志村さん)

 大谷本人とは関係ないところで繰り広げられるファンや記者の“場外乱闘”。それほど注目される存在という証ではあるが、誰も文句のつけようのない結果で外野を黙らせてほしい。