誹謗中傷する同業者は「国立大の歯学部(卒)」
徹底的に戦う理由は?
「身に覚えがないことを書かれるんですよ。それがデジタルタトゥーとして残るわけじゃないですか。そもそもあんなクチコミをしておいて、日本は罪として弱いんですよ。取れるお金も少ないし。そうなるとみんな泣き寝入りになっちゃう。開示請求するのにもお金がかかるから、お金がない人は余計に難しい。おかしい話で。
知り合いの息子がネット上ですごくいじめられていて、それがあまりにひどくて開示請求をして裁判したんです。開示請求も結局30万円くらいかかるんですよ。一般的なサラリーマンはなかなか難しいでしょう。それで取れる金が10万円とか。少なくともかかった費用は領収書を提出すれば、そのお金は加害者に支払わせるとか、そのくらいのことをしないと、みんな泣き寝入りして大変ですよ」
きぬた氏を誹謗中傷する同業者には1つ共通点があるという。
「全員、国立大の歯学部(卒)なんです。俺は私立卒です。要は、“私大卒ごときが調子に乗りやがって、この野郎”なんですよ。18歳からの“偏差値信仰”がいまだに続いている。18歳のときの価値観が、40代になっても50代になっても続いている。それ以外ないのかよって」
きぬた氏と同業、すなわち歯科医師であれば、一般的な水準よりも収入がある人が多いだろう。少なくとも、明日の食事・目先の生活費・ローン・保険・税金・子どもの教育費……。年々上がり続けるものも多い、“生きていくために必要なお金”に困っている者は少ないはずだ。
「もう1つ共通点があって、全員40歳を超えてるんです。要は、人生に決着が付いちゃって迷っている伸びしろがない人たち。伸びしろがないがために、エネルギーや刃を自分に向けずに俺に向けるっていう。もっと真剣に一生懸命生きていれば、人のことなんか構っていられないはずです。
金に困らなくなったときに人間は、非常に根深い、なにか複雑な感情であるとか、呪詛とか怨嗟とか、そういうのが出てくるんですよ。それらは金で割り切れないものだから、終わりがない。だから、同じ仕事をしている、そこらじゅうに看板がある、金を使いまくってるような奴に“この野郎”って思うんでしょう。“てめぇ、私立のくせに”って」
ある歯科医師は、歯科業界でも選ばれしエリートといえる道を進んだ結果、行き着いたのがきぬた氏への誹謗中傷だった。