カンジタ菌をやっつける食事法

 カンジタ菌を減らす食事法を取り入れつつ、次にすべきは除菌の為の食事法だ。

「殺菌作用のあるものを積極的に食べましょう。MCTオイルやココナッツオイル、アマニ油、えごま油といったオメガ3系オイル。さらに、香辛料やスパイスなど抗菌・解毒作用のある食品による除菌が有効です」

 解毒作用のあるにんにく、パクチーといった香味野菜。抗菌作用のあるお酢や、レモン、梅干し。EPAが含まれる魚や、食物繊維の多い野菜などがおすすめという。

「カンジタ菌は口にも生息していますから、そこで増やさないように、寝る前は当然ですが、朝も起きたらすぐに歯磨きをする。また歯のクリーニングを定期的に行うなどして、入り口から防ぐ努力も行いましょう」

 口だけでなく、消化管の粘膜に入り込むことで起こる胃の炎症や食道炎などあらゆるところで悪さをするカンジダ菌。この時季、うっかりカビてしまった食品など、その部分を取ってしまえば食べられるとはゆめゆめ思わないこと!

「カビを食べても多少下痢になるぐらいで大丈夫でしょ、と思っている人もいるかもしれませんが、カビそのものを胃に入れてしまっては体内で増殖はまぬがれません。カンジダ菌は胃液ではやっつけられない、非常に生存力のあるやっかいなものなのです」

 カンジダ菌は、内視鏡を用いなくとも「尿中有機酸検査」といったものでその増加率が計れる。しかし、この検査を積極的に行っているクリニックは多いとは言えず、また保険適用外のため一般的とは言いにくい。

 カンジダ菌の除去は薬で行うこともできるが自費診療となることが多いので、各地域での診察状況はインターネットなどで調べることをおすすめすると姫野医師は語る。

「医療機関で検査を受けることもいいのですが、空中にもカビ菌が多いこの時季、まずはエアコンやお風呂場などのカビ対策。そして自分の体内でカビを増やさない食事法を心がけてみてはいかがでしょうか。それだけで、原因不明の体調不良や、メンタル不調も改善してくるかもしれません」

教えてくれたのは……姫野友美先生●ひめのともみクリニック院長。東京医科歯科大学卒業。医学博士・心療内科医。 九州大学医学部附属病院などの勤務医を経て、2005年ひめのともみクリニックを開業。 オーソモレキュラー栄養医学に基づいた栄養療法や点滴療法、バイオロジメディカル療法を組み合わせた独自のメディカルプログラムで個々人に合わせたオーダーメイドの治療を行っている。そのかたわら、テレビ番組や新聞・雑誌等で活躍。 『心療内科に行く前に食事を変えなさい』(青春出版社)、『美しくなりたければ食べなさい』(三笠書房)、『心療内科医が教える疲れとストレスからの回復ごはん』(大和書房)など著書多数。