立花さんが運営する結婚相談所では、登録会員の7割は55歳以上。本気の希望者が多く、会員数は常に定員の上限ギリギリなんだとか。

「最近では、お子さんからすすめられて婚活を始める方もかなり増えています。昨年は『母を1人で生活させるのは心配』と娘さんに連れてこられた74歳の女性が、無事ゴールインされました!

 お相手の72歳の男性は優しく、丁寧に女性に寄り添う方で、私もうれしかったです」(立花さん、以下同)

“将来”ではなく“今”を、シニア婚活の実態

 参加者のうち約半数は、死別・離婚経験者というシニアのため、結婚という法的な関係性に固執せず、残りの人生を共に楽しむパートナー探しと捉える人も多い。

 死別の場合、籍を入れてしまうと遺族年金の受給ができなくなるというのも理由のひとつ。また、バツイチ経験者は、毎日顔を突き合わせるデメリットを熟知している分、あえて通い婚を続けるカップルも。立花さんは熟年婚活を次のように分析する。

「20~30代の結婚が相手の“将来性”を見るものだとすれば、この世代は“今”を見るもの。性格やライフスタイルは簡単には変わりませんし、お相手の年収などの資産についてもめどはつく。

 だからこそ今の姿にどれだけ惹(ひ)かれるかどうかが、シニア婚活の成否を大きく分けるのかもしれません」

「バスツアー」や「結婚相談所」のほかにも熟年世代の出会いの場として「婚活パーティー」や「マッチングアプリ」を使う人も多いそう。

「単発で参加しやすいのは、婚活パーティーです。簡単なプロフィールを交換することから始まり、参加者の男性と女性が2人きりで話せるコーナーをつくった上で、最後にマッチングを発表します。

 ただし、気軽に参加できる分、結婚ではなく恋愛目的の人も交じっているのが正直なところ。成婚を目指すなら、目的とタイミングが合う人を見つけることが鍵になります」

 中には40代後半から50代後半にかけ10年近く活動、回数にして200回以上参加して、ようやく結婚にまでこぎ着けた男性もいる。回数を重ねてコストをかければ、相手を見る目はかなり磨けそう。