「学校で岡は、鍵山とよく一緒に過ごしていました。会話も面白くって“どの競技でもロシアは半端ないよね”とか、岡が“手をついて倒立したら?”と言うと鍵山は“転倒とみなされて減点になる”なんて返したり(笑)。逆に鍵山が岡にアドバイスすることも。高校時代は、岡が先に世界ジュニアで金メダルを取ったことで、鍵山に火がついたように見えました。競技は違えども同じアスリートとして、お互いに意識はしていたようです」(松下さん、以下同)
親友、ライバルであり“救世主”
親友でありライバルでもあった2人だが、岡にとって鍵山は救世主でもあったそう。
「岡は勉強が苦手で……。入学したてのころは、どの教科でも授業中は気絶するように眠っていました。海外での試合もありますから、私が“英語ぐらいしゃべれなくてどうするんだ!”と言ったら、岡は“大丈夫です。世界大会は通訳さんがいるので”と(笑)。なので成績のよかった鍵山が、岡によく勉強を教えていましたね」
その一方で、2人にはこんな性格の違いがあるという。
「鍵山は、どちらかというと物静かな性格ですが、岡は誰とでも分け隔てなく話せる子ですね。だからこそ、お互いに気が合ったと思います。岡と鍵山のおかげで、私も貴重な体験をいっぱいさせてもらいました。あとは、ケガなく元気に帰ってきてくれたらと思います。帰国したら大学のレポートを書かなければいけないはずですから(笑)」
金メダル獲得の裏には、育んだ友情が光っていた─。